方針
求めたい量を と置き、まず条件から の下限を取り出す。 から 、また , , から が必要である。次にこの最大値 が実際に達成できることを、直線 上で , と置いて示す。下限評価だけで終わらせず、実現可能性まで確認する。
解答
とおく。, より である。また であるから である。したがって、条件 , が成り立つなら である。さらに2つの不等式を足すと である。
よって 上の任意の点についてが必要である。したがって ただし である。
次に、この下限 が実際に達成できることを示す。
まず の場合を考える。このとき最大値が0であるから である。したがって は4つの不等式をすべて満たし、 が実現する。
次に とする。直線 上の点を と表す。このとき である。したがって条件を満たすには すなわち となる を から選べばよい。 の定義より である。これらから であり、さらに も成り立つ。よって区間 は と共通部分をもつ。その共通部分から を選べば、 かつ4つの不等式を満たし、しかも となる。
以上より、求める最小値は である。
別解
解法2(境界直線の最初の接触点で場合分け)
方針
直線 を原点側から平行移動し、領域 に最初に触れる位置を調べる。
候補は原点、2本の座標軸上の交点、2本の斜線の交点の4種類であり、
どの候補が有効かを最大値の条件で同時に確認する。
解答
とおく。条件式からを得る。したがって残るのは、最大となった各候補で等号が実現することの確認である。たとえば ならから が従う。したがって
は を満たし、さらにも満たす。他の行も同様である。最後の行の点は2直線の交点であり、最大条件によって両座標が非負になる。
よって、どの場合にも を満たす点が に存在する。
したがって最小値は
総評
線形不等式の領域を図で場合分けせず、 の必要十分条件に直す問題である。目安時間は10〜15分。下限として が出るところまでは短いが、その最大値が本当に実現できることを書かないと答案としては不足する。 上で を使う証明は、 の符号に応じた細かい図の場合分けを避けられる。ありがちな誤りは、 と だけで答えること、または の下限を足し算から拾い忘れることである。