方針
境界値問題を直接逆向きに解かず、初期値 の基本数列を作る。係数条件から基本数列が正で狭義増加するため、 が求める唯一の解になる。(3)は隣接項比を、方程式 の大きい根で下から評価する。
解答
(1) としで定める。 である。 ならだから帰納法により である。
元の漸化式を満たし である数列は、 を決めれば一意に定まり、線形性から である。したがって とするにはとするほかない。これで存在と一意性が示され、狭義増加性から も従う。
(2) としで定める。 であり、 ならよって も正で狭義増加する。(1)と同様にが条件を満たす唯一の数列で、 である。
(3) とおくと である。(1)の基本数列に対し とおく。 である。 ならしたがってすべての で である。よって に対し(1)の を用いるとこの は だけで決まり、 には依存しない。
別解
解法2(離散最大値原理と比較数列)
方針
境界値問題を連立1次方程式と見て、係数行列の正定値性から存在・一意性を示す。
区間内部の最小点を調べる離散最大値原理で を得る。
(3)では を上側の比較数列として同じ原理を使う。
解答
(1)
未知数 の方程式はである。 とする。係数行列の2次形式はであり、 なら正だから、解はただ1つ存在する。
内部に負の最小値があればと により最小値が両隣へ伝わり、境界値に反する。
同じ議論で内部では である。
とおくと同じ最小値原理で だから(2)
と置くと、係数行列は隣接成分
の対称行列に相似で、その2次形式はである。ここで を用いた。
よって解はただ1つ存在する。
負の最小値に対しを使えば、 により境界まで同じ値が伝わって矛盾する。
にも同じ議論を適用して(3)とおく。 だから は を満たし、
離散最大値原理により内部で となる。ゆえに は だけで決まり、 には依存しない。
総評
境界値問題を初期値1の基本数列で解く方法と、離散最大値原理で解く方法を収録した。(3)では特性根による比の評価、または との比較が核心である。添字と不等号の向きを最後に確認したい。