方針
差分方程式は と が積で現れるため、逆数 を導入すると一次漸化式になる。具体的には で、等比数列として を求める。、 として の極限を取り、最後は の値ごとに初期値・単調性・漸近線 を整理してグラフの形を決める。
解答
(1)
記号を簡単にするため と書く。与えられた式は であるから である。両辺を で割ると となる。 とおくと であり、したがって である。両辺から を引けば となる。 だから であり、 である。
(2) に対応する点は であり、 である。(1)より である。ここで なので である。分母分子に を掛けると である。
(3) に対して である。また微分すると である。 のとき であり、 だから単調減少である。 まで延長すれば であり、 で となる。したがって では より大きい側から に近づく曲線である。 のとき であり、グラフは水平直線 である。 のとき であり、 だから単調増加である。 まで延長すれば であり、 で となる。したがって では より小さい側から に近づく曲線である。
以上を図示すれば、 は上から に近づく減少曲線、 は 、 は下から に近づく増加曲線である。
別解
解法2(閉じた形を帰納的に検算する)
方針
差分方程式を について解き、得られる分数変換を反復する。閉じた式を数学的帰納法で直接確認し、極限後は を使って3本のグラフの増減と曲がり方まで決める。
解答
(1)
と略記する。与式を について解くとここからと予想できる。 では明らかに成り立つ。これを上の漸化式へ代入するととなるので、帰納法により成立する。したがって(2)
極限に必要な十分大きい では である。 として より(3)
に対し では 、 なので単調減少し、上側から漸近線 に近づく。
では恒等的に である。
では 、 なので単調増加し、下側から に近づく。
さらにより、 の曲線は 、すなわち で変曲する。
これらの情報から3本のグラフが一意に定まる。
総評
難度6、計算量5。非線形に見える差分方程式を逆数で一次化することが主眼。極限ではk=n、h=a/nの代入を明記し、十分大きいnで式が正則であることも確認した。3つのグラフは初期値、単調性、水平漸近線に加え、c=1/4では変曲点まで示している。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。