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東京大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

pqNMを自然数とする。ただしpは自然数ではないとする。このとき次の問に答えよ。

(1) 自然数lに対してある整数ABがあって(p[p])l=Ap+Bと表せることを示せ。
ただし[p]pより小さい整数のうちで最大のものを表す。

(2) xy平面において,x座標およびy座標がともに整数であるような点を格子点という。
このとき,直線y=pxとの距離が1N以下で
x座標がN以上であるような格子点が存在することを示せ。

(3) 双曲線y2px2=qの上の点Pと格子点Qで,
線分PQの長さが1M以下であるようなものが存在することを示せ。

(4) p=5q=2M=100として(3)の条件を満たすような格子点Qを一つ求めよ。
すなわち,格子点Qであって,双曲線y25x2=2の上の点Pを適当にとれば
PQの長さを1100以下にすることができるようなものを一つ求めよ。
ただし2.23606<5<2.23607を用いてよい。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

数と式整数図形と方程式 数学的帰納法不等式評価座標設定、存在証明

方針

s=[p], α=ps とおく。(1)は掛け算による帰納法。(2)は共役な数 β=ps を使い、奇数乗で A を大きくしながら Ap+B=αl を小さくする。(3)はその格子点と双曲線の同じ x 座標の点を比べる。

解答

(1) s=[p] とおく。l=1 では A=1,B=s とすればよい。αl=Ap+B と表せたとするとαl+1=(Ap+B)(ps)=(BAs)p+(ApBs),右辺の二係数は整数である。よって帰納法により示された。

(2) α=ps, β=ps とおくと 0<α<1, β>1 である。(1)の係数は共役を取ってAl=αlβl2p,Bl=αl+βl2と表せる。奇数 l を大きくすれば Al>0,Bl>0, Al, αl0 である。したがってAlN,αlp+1Nを同時に満たす奇数 l を取れる。格子点 Q=(Al,Bl) と直線との距離はpAl+Blp+1=αlp+11N.またその x 座標は AlN である。

(3) p+1N+q2pN1Mとなるように十分大きな自然数 N を取る。(2)の構成で得た第1象限の格子点を Q=(X,Y) とするとXN,YpXp+1N.双曲線上の点P=(X,pX2+q)を取ればPQ=pX2+qYpXY+qpX2+q+pXp+1N+q2pN1M.よって所要の点が存在する。

(4) 格子点Q=(305,682)を取る。P=(305,465127) とすれば(465127)253052=2なので P は双曲線上にある。また 6822=465124 だからPQ=465127682=3465127+682<31364<1100.したがってこの Q が一例である。

別解

解法2(二項展開と鳩の巣原理)

方針

(1) は二項展開で p の偶数冪と奇数冪を分離する。
(2)は p,2p, の小数部分を鳩の巣原理で近づけ、
必要ならその近似を整数倍して x 座標を大きくする。
(3)は直線上の対応点を経由して双曲線までの距離を評価する。

解答

(1) s=[p] とする。二項展開(ps)l=k=0lCl,k(p)k(s)lkで、k が偶数の項は整数、奇数の項は整数と p の積である。
したがって整数 A,B を用いて(ps)l=Ap+Bと表せる。

(2) KN2p+1となる自然数 K を取る。0,{p},{2p},,{Kp}を長さ 1/KK 個の区間に分ける。鳩の巣原理により、
ある 1dK と整数 e が存在してdpe1Kとなる。 p は無理数なので左辺は0ではない。L=Ndとする。1d より LN だからLK1Np+1.格子点 Q=(Ld,Le)x 座標が N 以上であり、
直線 y=px までの距離はLdpep+11N.(3)
(2)を、直線までの縦方向の誤差がYpXp+1Nとなる格子点 Q=(X,Y) に適用する。Np+1N+q2pN1Mとなるほど大きく取る。双曲線上の点P=(X,pX2+q)に対してPQpXY+pX2+qpXp+1N+q2pX1M.(4)Q=(305,682)と取る。53052+2=465127 だからP=(305,465127)は双曲線上にある。また 6822=465124 よりPQ=465127682=3465127+682<31364<1100.したがってこの Q が条件を満たす。

総評

難度8、計算量7。想定時間は35分程度。(2)は小さい数 αl と大きい共役 βl を同時に使い、格子点の横座標を大きくする。(3)では直線への垂直距離を縦方向の誤差へ p+1 倍して直す点に注意する。(4)は平方差で距離を評価する。

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出典: 東京大学 2003年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。