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東京大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

aを正の実数とする。
次の2つの不等式を同時に満たす点(x,y)全体からなる領域をDとする。yx2,y2x2+3ax+6a2領域Dにおけるx+yの最大値,最小値を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

関数図形と方程式 範囲評価、微分による最大最小、場合分け

方針

まず上下の放物線が交わる条件から、領域が存在する x の範囲を ax2a と定める。固定した x に対して x+yy とともに増加するので、最大値は上側の放物線 y=2x2+3ax+6a2、最小値は下側の放物線 y=x2 上で調べればよい。どちらも閉区間上の2次関数の最大最小に帰着し、頂点が区間内に入るかどうかで a=1/5, a=1/2 を境に場合分けする。

解答

領域 D が存在するためには、同じ x に対して下側の値が上側の値以下でなければならない。したがって x22x2+3ax+6a2 である。これを整理すると 3x23ax6a20 すなわち (x+a)(x2a)0 である。a>0 より、領域 D に現れる x の範囲は ax2a である。 x を固定すると、x+yy が大きいほど大きい。したがって最大値は上側の放物線 y=2x2+3ax+6a2 上で調べればよい。このとき x+y=2x2+(3a+1)x+6a2 である。この2次関数は上に凸で、軸は x=3a+14 である。軸が区間 [a,2a] に入る条件を調べると、左端については a3a+14 が常に成り立ち、右端については 3a+142a すなわち a15 である。

したがって、0<a<1/5 のときは区間内で軸が右にはみ出すので、最大値は右端 x=2a で生じる。このとき x+y=2a+(2a)2=4a2+2a である。a1/5 のときは軸で最大となり、平方完成より2x2+(3a+1)x+6a2=2(x3a+14)2+6a2+(3a+1)28だから、最大値は 6a2+(3a+1)28 である。

次に最小値を求める。x+yy について増加するので、最小値は下側の放物線 y=x2 上で調べればよい。このとき x+y=x2+x=(x+12)214 である。軸 x=1/2 が区間 [a,2a] に入る条件は a122a であり、右側の不等式は常に成り立つので、条件は a12 である。 0<a<1/2 のとき、軸 1/2 は区間の左外にあるから、最小値は左端 x=a で生じる。このとき x+y=(a)2a=a2a である。a1/2 のときは軸で最小となり、最小値は 14 である。

以上より、最大値は{4a2+2a(0<a<15),6a2+(3a+1)28(a15),最小値は{a2a(0<a<12),14(a12)である。

条件・検算

境界値 a=1/5a=1/2 では、頂点と端点から得る値がそれぞれ一致する。したがって場合分けに隙間や重複はない。

別解

解法2(直線の平行移動)

方針

直線 x+y=c を平行移動し、領域に最後または最初に接する位置を調べる。最大値は上側放物線への接線または右端、最小値は下側放物線への接線または左端で決まり、接点が [a,2a] に入る条件が場合分けの境界になる。

解答

直線 x+y=c、すなわち y=x+c を平行移動させると、c が大きいほど直線は上へ動く。最大値はこの直線が領域 D に最後に触れるときの c であり、上側放物線に接するか、右端の交点 (2a,4a2) を通るかのどちらかである。接点の x 座標は (3a+1)/4 であり、これが [a,2a] に入る条件が a1/5 である。最小値も同様に、同じ直線を下へ動かして下側放物線 y=x2 に接するか、左端の交点 (a,a2) を通るかを見ればよく、接点 x=1/2 が区間に入る条件が a1/2 である。これにより上と同じ場合分けと値が得られる。

総評

難度6、計算量5。目安時間は22〜28分。線形関数 x+y の最大最小だが、固定した x では y について単調であるため、上下どちらの境界を見ればよいかが最初の判断になる。最大値と最小値で見る放物線が違い、さらに場合分けの境目も a=1/5a=1/2 で異なる。よくある誤りは、領域の x 範囲 [a,2a] を出さずに頂点だけで答えること、また端点で上下の放物線が交わるため y=x2 でも上側でも同じ点になることを見落とすことである。直線 x+y=c の平行移動として見る別解は、どの境界で極値が出るかを図形的に確認するのに有効である。

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出典: 東京大学 2004年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。