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東京大学 2005年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

f(x)f(0)=0を満たす2次関数とする。
abを実数として,関数g(x)を次で与える。g(x)={ax(x0),bx(x>0)abをいろいろ変化させ10{f(x)g(x)}2dx+01{f(x)g(x)}2dxが最小になるようにする。このとき,g(1)=f(1)g(1)=f(1)であることを示せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

関数微分積分 微分による最大最小定積分評価、式変形

方針

区間 [1,0][0,1]g(x) はそれぞれ定数 ab であるため,最小化は左右の区間で独立に行える。各区間では,f(x) を定数で近似するときの二乗誤差を平方完成し,最良の定数がその区間での平均値になることを示す。区間の長さがどちらも 1 なので,平均値は f(x)dx そのものであり,微積分の基本関係から f(0)f(1)f(1)f(0) に直せる。別解として,f(x)=px2+qx と置いて係数で直接最小化してもよい。

解答

区間 [1,0] では g(x)=a,区間 (0,1] では g(x)=b である。したがって与えられた量は 10{f(x)a}2dx+01{f(x)b}2dx であり,ab は別々に最小化できる。

まず [1,0] における f(x) の平均値を A=10f(x)dx とおく。この区間の長さは 1 なので,平均値はこの積分そのものである。すると 10{f(x)A}dx=0 であるから,10{f(x)a}2dx=10{f(x)A+Aa}2dx=10{f(x)A}2dx+2(Aa)10{f(x)A}dx+(Aa)2=10{f(x)A}2dx+(Aa)2となる。よってこの部分は a=A のとき,かつそのときに限って最小である。

ここで A=10f(x)dx=f(0)f(1)=f(1) である。したがって最小のとき g(1)=a(1)=a=f(1) が成り立つ。

同様に,[0,1] における平均値を B=01f(x)dx とおくと,01{f(x)b}2dx=01{f(x)B}2dx+(Bb)2 である。よってこの部分は b=B のとき最小である。また B=01f(x)dx=f(1)f(0)=f(1) なので,最小のとき g(1)=b=f(1) である。

以上より,与えられた量が最小となるとき g(1)=f(1),g(1)=f(1) が成り立つ。

条件・検算

左右の最小化は独立であり、区間長が1であるため平均値に余分な除数が付かない。交差項が0になることを明示して必要十分性を確保する。

別解

解法2(係数による直接最小化)

方針

f(0)=0 を使って f(x)=px2+qx と置く。左右の誤差を、平均0の一次式と定数の和に分けて平方展開し、a,b を含む平方項だけを最小化する。

解答

f(0)=0 を満たす2次関数だからf(x)=px2+qx,f(x)=2px+qとおける。

左側では2px+qa=p(2x+1)+(qpa)であり、10(2x+1)dx=0だから10(2px+qa)2dx=p210(2x+1)2dx+(qpa)2.よって最小となるのは a=qp のときであり、g(1)=a=pq=f(1)である。

同様に右側では2px+qb=p(2x1)+(p+qb),01(2x1)dx=0.したがって最小となるのは b=p+q のときであり、g(1)=b=p+q=f(1)である。

総評

難度6、計算量5。二乗誤差を最小にする定数は平均値である、という見方を積分で示す問題で、目安は20分程度である。抽象的な平均値の議論で解く場合は、交差項が消える理由を (fA)=0 と明示することが採点上重要である。係数を置く別解では計算はやや増えるが、2x+12x1 の積分が0になる形に整理すれば同じ構造が見える。f(0)=0 を最後の A=f(1)B=f(1) で使う点を落とさないようにしたい。

問題・解答の積分・総和・極限は原則として独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の関係または答案の論理を確認するための独自作図であり、条件・境界・結論を本文だけでも追えるようにした。

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出典: 東京大学 2005年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。