方針
整数条件は a(a−1) が 10000=16⋅625 で割り切れることに尽きる。連続する2整数 a と a−1 は互いに素で,さらに a は奇数なので,24 は必ず a−1 側に入る。残る 54=625 は互いに素な2因子のどちらか一方に丸ごと入るため,625∣a−1 と 625∣a の2場合を調べればよい。最後に 3≦a≦9999 の範囲と奇数条件を確認する。
解答
まず 10000=24⋅54=16⋅625 である。また,連続する2整数 a と a−1 は互いに素であるから,a(a−1) が 16⋅625 で割り切れるかどうかは,各素因数のまとまりが a と a−1 のどちらに入るかで決まる。 a は奇数なので,a は 2 で割り切れない。したがって a(a−1) が 16 で割り切れるためには 16∣a−1 でなければならない。すなわち a≡1(mod16) である。
次に 625 について考える。a と a−1 は互いに素であるから,625 は a または a−1 のどちらか一方を割り切る。 625∣a−1 のとき,すでに 16∣a−1 であり,16 と 625 は互いに素なので 10000∣a−1 となる。よって a≡1(mod10000) である。しかし 3≦a≦9999 にこの合同式を満たす整数は存在しない。 625∣a のとき,a=625k とおく。範囲 3≦a≦9999 より 1≦k≦15 である。また 625≡1(mod16) だから,a≡1(mod16) は k≡1(mod16) と同値である。1≦k≦15 の中でこれを満たすのは k=1 だけである。したがって a=625 を得る。
実際,625 は奇数であり,6252−625=625⋅624 は 625 と 16 の両方で割り切れる。16 と 625 は互いに素なので,これは 10000 で割り切れる。よって求める値は 625 である。
条件・検算
連続整数の互いに素性により 54 を2因子へ分割できない。候補 a=1 は下限3により除外される。
別解
解法2(中国剰余定理による整理)
方針
a(a−1)≡0(mod16) と (mod625) を別々に解き、連続整数の互いに素性から得る2組の合同条件を中国剰余定理で統合する。
解答
a は奇数だからa(a−1)≡0(mod16)が成り立つためにはa≡1(mod16)でなければならない。
一方、gcd(a,a−1)=1 なのでa(a−1)≡0(mod625)からa≡0(mod625)またはa≡1(mod625)を得る。
後者と a≡1(mod16) を合わせると、中国剰余定理によりa≡1(mod10000).前者では a=625k とおくと 625≡1(mod16) だからk≡1(mod16),したがってa≡625(mod10000)である。ゆえに全解はa≡1, 625(mod10000).3≦a≦9999 に入るのはa=625だけである。
総評
難度5、計算量3。連続する2整数が互いに素であることを使い、10000=24⋅54 の素因数をどちらの因子に入れるかで処理する整数問題である。目安は10分程度で、a が奇数であるため 24 が必ず a−1 側に入る点が最重要である。625∣a−1 と 625∣a の2場合を分けたあと、最後に範囲 3≦a≦9999 を使って候補を削る。ありがちなミスは、625 を a と a−1 に分けて入れられるように扱ってしまうことと、a≡1(mod10000) の場合に a=1 を範囲外として落とし忘れることである。
問題・解答の積分・総和・極限は原則として独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の関係または答案の論理を確認するための独自作図であり、条件・境界・結論を本文だけでも追えるようにした。
冊子PDFで見る東大の整数の問題で問題集を作る
出典: 東京大学 2005年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。