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東京大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

次の条件を満たす組(x,y,z)を考える.

条件(A):xyzは正の整数で,x2+y2+z2=xyzおよびxyzを満たす.

以下の問いに答えよ.

(1) 条件(A)を満たす組(x,y,z)で,y3となるものをすべて求めよ.

(2)(a,b,c)が条件(A)を満たすとする.このとき,組(b,c,z)が条件(A)を満たすようなzが存在することを示せ.

(3) 条件(A)を満たす組(x,y,z)は,無数に存在することを示せ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安28

整数方程式・不等式 場合分け、存在証明、数学的帰納法

方針

(1)y=1,2,3 を順に調べる。xyz なので候補は少なく,2次方程式の判別式または因数分解で確認できる。(2)は (a,b,c) が解なら,z について z2bcz+b2+c2=0 を考える。この方程式の一方の解が a であるため,他方の解 bca を取れば (b,c,bca) も方程式を満たす。順序条件と正整数条件を確認し,(3)では (3,3,3) からこの操作を繰り返して第3成分が真に増えることを示す。

解答

(1)

条件(A)は x,y,zZ>0,x2+y2+z2=xyz,xyz である。

まず y=1 のとき,xy より x=1 である。方程式は 1+1+z2=z すなわち z2z+2=0 となり,正の整数解をもたない。

次に y=2 のとき,x=1 または x=2 である。x=1 なら 1+4+z2=2z より z22z+5=0 であり,解をもたない。x=2 なら 4+4+z2=4z より z24z+8=0 であり,これも解をもたない。

最後に y=3 のとき,x=1,2,3 を調べる。x=1 なら 1+9+z2=3z より z23z+10=0 であり,解をもたない。x=2 なら 4+9+z2=6z より z26z+13=0 であり,解をもたない。x=3 なら 9+9+z2=9z より z29z+18=0 である。したがって (z3)(z6)=0 となり,z3 なので z=3,6 を得る。

よって,y3 を満たす組は (3,3,3), (3,3,6) である。

(2) (a,b,c) が条件(A)を満たすとする。すなわち a2+b2+c2=abc,abc である。 z についての2次方程式 z2bcz+b2+c2=0 を考える。z=a を代入すると a2abc+b2+c2=0 であり,これは条件(A)の方程式そのものである。したがって a はこの2次方程式の解である。もう一方の解を z とすると,解と係数の関係より a+z=bc だから z=bca である。この z は整数である。

この z は同じ2次方程式を満たすので z2bcz+b2+c2=0 であり,すなわち b2+c2+z2=bcz である。

次に順序を確認する。(1)の結果から,条件(A)を満たす組では b3 である。もし b3 なら,(1)より (a,b,c)(3,3,3) または (3,3,6) であり,いずれも b=3 である。したがって常に b3 である。

よって zc=bcac=c(b1)a であり,b3ac から zc2cac>0 である。したがって bc<z であり,z は正の整数である。以上より (b,c,z)=(b,c,bca) は条件(A)を満たす。

(3)

(1) より (3,3,3) は条件(A)を満たす。さらに(2)より,条件(A)を満たす組 (a,b,c) から (b,c,bca) という新しい条件(A)の組を作ることができる。

しかも(2)で示したように,新しい第3成分は bca>c を満たす。したがってこの操作を繰り返すと,第3成分は 3<6< のように真に増加し,同じ組に戻ることはない。よって条件(A)を満たす組は無数に存在する。

したがって 条件(A)を満たす組 (x,y,z) は無数に存在する ことが示された。

総評

難度7,計算量5。目安時間は28分。整数方程式を,1つの文字についての2次方程式として見直すのが中心である。(2)の z=bca は解と係数の関係から自然に出るが,方程式だけでなく順序 bcz と正整数性を確認しないと条件(A)の証明にならない。(3)は第3成分が真に増えることを明記すれば,無限個の存在がはっきりする。

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出典: 東京大学 2006年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。