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東京大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

nを正の整数とする.実数xyzに対する方程式xn+yn+zn=xyz(*)を考える.

(1) n=1のとき,()を満たす正の整数の組(x,y,z)で,xyzとなるものをすべて求めよ.

(2) n=3のとき,()を満たす正の実数の組(x,y,z)は存在しないことを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安18

整数方程式・不等式論証・証明 場合分け、不等式評価、相加相乗平均

方針

(1) では x+y+z=xyzxyz の順序条件で絞る。x=1 は因数分解で解け,x=2 は不等式で排除する。x3 では y,zx を使い,右辺 xyz が左辺 x+y+z より大きくなることを示す。(2)は相加相乗平均により x3+y3+z33xyz と評価すれば,方程式の右辺 xyz と矛盾する。

解答

(1) n=1 のとき,方程式は x+y+z=xyz である。x,y,z は正の整数で,xyz とする。

まず x=1 の場合を考える。このとき 1+y+z=yz であるから yzyz=1 となる。両辺に1を加えて (y1)(z1)=2 である。yz なので,正の整数解は y1=1,z1=2 だけであり,(y,z)=(2,3) である。したがって (x,y,z)=(1,2,3) を得る。

次に x=2 の場合を考える。このとき y,z2 であり,方程式は 2+y+z=2yz である。条件 y,z2 を用いると 2yz(2+y+z)=2yzyz2 である。y,z2 だから 2yzyz24z2z2=3z4>0 である。したがって 2yz>2+y+z となり,方程式は成り立たない。

最後に x3 の場合を考える。このとき yx3 である。zyx なので x+y+z3z である。一方 xyz9z>3z である。したがって xyz>x+y+z となり,方程式は成り立たない。

以上より,求める組は (x,y,z)=(1,2,3) だけである。

(2) x,y,z を正の実数とする。相加相乗平均より x3+y3+z33x3y3z33=xyz である。したがって x3+y3+z33xyz である。

もし x3+y3+z3=xyz が成り立つなら,これと上の不等式から xyz3xyz となる。しかし x,y,z は正の実数なので xyz>0 であり,これは不可能である。よって n=3 のとき,正の実数の組 (x,y,z) は存在しない である。

総評

難度6,計算量4。目安時間は18分。(1)は小さい変数 x から順に絞ると短く終わる。x=1 の因数分解,x=2 の排除,x3 の大小比較を分けて書くと漏れがない。(2)は相加相乗平均の一撃だが,xyz>0 だから xyz3xyz が矛盾する,という最後の一文まで必要である。

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出典: 東京大学 2006年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。