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東京大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

コンピュータの画面に,記号○と×のいずれかを表示させる操作をくり返し行う.
このとき,各操作で,直前の記号と同じ記号を続けて表示する確率は,それまでの経過に関係なく,pであるとする.

最初に,コンピュータの画面に記号×が表示された.
操作をくり返し行い,記号×が最初のものも含めて3個出るよりも前に,記号○がn個出る確率をPnとする.
ただし,記号○がn個出た段階で操作は終了する.

(1) P2pで表せ.

(2) n3のとき,Pnpnで表せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24

確率数列 場合分け、状態分類確率漸化式

方針

文科第2問と同じ状況である。最初の × を含めて3個出る前に成功するには,追加の × は0個または1個しか許されない。停止時の最後の記号は なので,追加の × がない場合,最初に追加の × が出る場合, が出た後に追加の × が1回だけ出る場合に分ける。理科版では一般式を n3 としてまとめる。

解答

(1)

最初に × が1個表示されているので, が2個出るまでに追加で出てよい × は高々1個である。成功する列は×,××,××である。それぞれの確率は (1p)p,p(1p)p,(1p)3 である。したがってP2=(1p)p+p(1p)p+(1p)3=(1p)(2p2p+1)である。

(2) n3 とする。追加の × がない場合,列は × であり,確率は (1p)pn1 である。

追加の × が最初の操作で出る場合,最初に × が続き,その後 に変わって n 個の がそろう。確率は p(1p)pn1 である。

追加の × が,少なくとも1個の が出た後に現れる場合を考える。この × は,1個目の の後から (n1) 個目の の後までのいずれかに入る。したがって位置は n1 通りである。どの位置でも,××× という3回の変化があり,残りの n2 回は が続く。よって各確率は (1p)3pn2 である。

以上よりPn=(1p)pn1+p(1p)pn1+(n1)(1p)3pn2=(1p)pn2{p+p2+(n1)(1p)2}=(1p)pn2{np2(2n3)p+n1}である。

○が1個増えるごとの2状態漸化式にすると,経路の重複が起こらない.

別解

解法2(2状態の漸化式)

方針

○がk個出た直後を,追加の×が0個の状態Akと,1個の状態Bkに分ける.遷移はAk+1=pAkBk+1=pBk+(1p)2Akである.この2状態漸化式を解いてPn=An+Bnを求める.

解答

状態の定義

k個目の○が出た直後について,Ak=追加の×がまだ0個である確率,Bk=追加の×がちょうど1個である確率とおく.どちらも最後の記号は○である.最初の×から1個目の○へ移る経路を考えるとA1=1p,B1=p(1p)である.

Akから追加の×を出さずに次の○へ進む確率はpである.
また,Akから○,×,○と移って追加の×を1個使う確率は(1p)2である.
Bkからは×をもう出せないので,○を続ける確率pだけが許される.
したがってAk+1=pAk,Bk+1=pBk+(1p)2Akを得る.

第1式からAn=(1p)pn1である.第2式を順に展開するとBn=pn1B1+(1p)2j=1n1pn1jAj=pn(1p)+(n1)(1p)3pn2.よってPn=An+Bn=(1p)pn2{p+p2+(n1)(1p)2}=(1p)pn2{np2(2n3)p+n1}.(1) n=2を代入するとP2=(1p)(2p2p+1)である.

(2) n3では,上で得た一般式Pn=(1p)pn2{np2(2n3)p+n1}が求める答えである.

総評

難度7,計算量6。目安時間は24分。成功条件を記号列で直接数える問題で,追加の × が0個か1個かという整理が最重要である。最初に追加の × が出る場合だけ,途中に追加の × が出る場合と確率が違う。一般式の (n1)(1p)3pn2 は,位置数と継続回数を両方説明しておくと説得力が出る。

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出典: 東京大学 2006年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。