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東京大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

白黒2種類のカードがたくさんある。
そのうち4枚を手もとにもっているとき,次の操作(A)を考える。

(A) 手持ちの4枚の中から1枚を,等確率14で選び出し,それを違う色のカードにとりかえる。

最初にもっている4枚のカードは,白黒それぞれ2枚であったとする。以下の(1),(2)に答えよ。

(1) 操作(A)を4回繰り返した後に初めて,4枚とも同じ色のカードになる確率を求めよ。

(2) 操作(A)をn回繰り返した後に初めて,4枚とも同じ色のカードになる確率を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安15

確率数列 状態分類確率漸化式、場合分け

方針

白の枚数そのものを追うと 0,1,2,3,4 の5状態になるが,04 は到達した瞬間に終了であり,13 は対称にまとめられる。したがって,未終了のまま白黒が 2 枚ずつの状態と,1 枚対 3 枚の状態だけを追えばよい。13 から少数色の1枚を選ぶと初めて同色4枚になり,多数色を選ぶと 22 に戻る。このため終了は偶数回に限られ,2回1組で「戻る」確率 3/4 を繰り返した後,最後に確率 1/4 で終了する構造になる。

解答

(1)

途中で4枚とも同じ色になったものは,その後の状態を数えないことにする。未終了のまま操作を n 回終えた時点で,白黒が 2 枚ずつである確率を qn,白黒が 1 枚と 3 枚に分かれている確率を rn とする。初期状態は白黒2枚ずつなので,q0=1,r0=0 である。

白黒2枚ずつの状態では,どのカードを選んでも白黒 1 枚対 3 枚になる。したがって,この状態から次に未終了で残る場合は必ず r 型である。一方,白黒 1 枚対 3 枚の状態では,少数色の1枚を選ぶ確率が 1/4 で,このとき初めて4枚とも同じ色になる。多数色の3枚のどれかを選ぶ確率が 3/4 で,このとき白黒2枚ずつに戻る。

よって未終了確率について qn+1=34rn,rn+1=qn が成り立ち,n+1 回目に初めて4枚とも同じ色になる確率は 14rn である。

4回後に初めて終了する確率を求めるには r3 が必要である。順にr1=q0=1,q2=34r1=34,r3=q2=34だから,求める確率は 14r3=1434=316 である。

(2)

上の漸化式を2回分まとめると qn+2=34qn,rn+2=34rn である。初期条件から,未終了で q 型になるのは偶数回後,r 型になるのは奇数回後だけで,q2j=(34)j,r2j+1=(34)j(j=0,1,2,)となる。 n 回後に初めて終了するには,n1 回後に未終了の r 型であり,最後に少数色を選ぶ必要がある。したがって n が偶数で n=2j のとき,14r2j1=14(34)j1 である。n が奇数のときは,n1 回後が偶数回後なので r 型にならず,終了できない。

よって求める確率は{14(34)n21(n が偶数, n2),0(n が奇数)である。

色を区別せず、少数色と多数色の枚数だけで表した状態遷移。

別解

解法2(2回を1組にする方法)

方針

2回の操作を1組と見る。白黒 2:2 からは、1回目で必ず 1:3 へ移る。2回目には確率 14 で初めて終了し、確率 342:2 に戻る。この独立な「戻る組」を何回通過したかだけを数える。

解答

(1)
2回を1組として見る。白黒 2:2 から1回操作すると必ず 1:3 になる。次の操作で少数色の1枚を選べば、確率 14 で初めて4枚が同色になる。一方、多数色の3枚のいずれかを選べば、確率 342:2 に戻る。

4回目に初めて終了するには、最初の2回組では 2:2 に戻り、次の2回組で終了すればよい。よって確率は3414=316である。

(2)
n が奇数なら、2:2 から奇数回の操作で終了状態へ到達することはできないので、求める確率は 0 である。

n=2j とする。2j 回目に初めて終了するには、最初の j1 組では毎回 2:2 に戻り、最後の組で終了すればよい。したがって(34)j114=14(34)n21となる。以上より{14(34)n21(n が偶数, n2),0(n が奇数)である。

総評

「初めて」という条件を守るため,終了後の状態を通常の推移に混ぜないことが最重要である。想定時間は15分前後,難易度は6,計算量は5程度。状態を白の枚数5通りで持つこともできるが,対称性で 2,21,3 の2状態に縮約すると答案が短く正確になる。偶数回でしか終了しない理由,最小回数が2回であること,(1)の4回目は「2回目で失敗して4回目で成功」の確率であることを言葉で添えると採点者に構造が伝わりやすい。

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出典: 東京大学 2008年度 前期 文科 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。