Evolton

東京大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

次の連立不等式で定まる座標平面上の領域Dを考える。x2+(y1)21,x23直線lは原点を通り,Dとの共通部分が線分となるものとする。その線分の長さL
の最大値を求めよ。また,Lが最大値をとるとき,
x軸とlのなす角θ (0<θ<π2)
の余弦cosθを求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安10

図形と方程式三角関数微分 座標設定三角比の利用微分による最大最小

方針

原点を通る直線を、x 軸となす角 θ と原点からの距離 r で表す。円 x2+(y1)2=1 との交点は r=0r=2sinθ であり、半平面 x2/3 は直線上で r2/(3cosθ) という下限を与える。したがって共通部分の長さを L(θ) として書き、存在条件の境界では L=0 になることを確認したうえで内部の停留点を求める。停留条件は u=cos2θ に直して解く。

解答

直線 l は原点を通り、領域 D との共通部分が第1象限側の線分になる。lx 軸のなす角を θ とし、直線上の点を原点からの距離 r を用いて (x,y)=(rcosθ,rsinθ)(r0, 0<θ<π/2) と表す。

まず円 x2+(y1)2=1 に代入すると r2cos2θ+(rsinθ1)2=1 である。展開すると r22rsinθ=0 すなわち r(r2sinθ)=0 となる。したがって円の内部にある直線上の部分は 0r2sinθ である。

次に半平面条件 x2/3rcosθ23 であり、cosθ>0 だから r23cosθ となる。よって共通部分が線分として存在するとき、その長さは L(θ)=2sinθ23cosθ である。

円板を直線 x=2/3 で切った青色部分が D であり、橙色の線分が最大時の共通部分である。
存在条件の境界では右辺が0になり、最大は内部で起こる。

微分すると L(θ)=2cosθ23sinθcos2θ である。内部の最大点では L(θ)=0 なので 2cos3θ=23sinθ である。両辺は正であるから、平方してよい。u=cos2θ とおくと 0<u<1sin2θ=1u であり、4u3=29(1u) すなわち 18u3+u1=0 を得る。左辺は 18u3+u1=(3u1)(6u2+2u+1) と因数分解でき、6u2+2u+1>0 であるから u=13 である。したがって cos2θ=13 であり、0<θ<π/2 より cosθ=13 である。

このとき sinθ=113=23 であるからLmax=223233=26363=63である。

別解

解法2(直線の傾きによる最大化)

方針

直線を y=kx (k>0) と置く。円との第1象限側の交点とx=2/3 との交点を x 座標で求め、2点間距離を k の関数にする。

解答

直線 ly=kx(k>0)と置く。円との交点はx2+(kx1)2=1を満たすからx{(1+k2)x2k}=0.第1象限側の交点の x 座標はX=2k1+k2である。一方、直線 x=2/3 との交点の x 座標は 2/3 である。直線上では x 座標の差を 1+k2 倍したものが距離なので、L(k)=1+k2(2k1+k223)=2k1+k2231+k2.微分するとL(k)=2(1+k2)3/223k1+k2.したがって L(k)=0k(1+k2)=32と同値である。左辺は k>0 で単調増加し、k=2 がこの方程式を満たすので、ここで唯一の最大値をとる。よってcosθ=11+k2=13であり、Lmax=223233=63である。

総評

難度5、目安時間10分。円が原点を通るため、主解法の極座標表示では円上の距離が 2sinθ と直ちに出る。別解は直線 y=kx の2交点間距離を直接最大化する。いずれも、円による上端と x=2/3 による下端を正しい順で差し引くことが採点上の中心となる。

冊子PDFで見る東大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 2012年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。