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東京大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

以下の命題A,Bそれぞれに対し,その真偽を述べよ。
また,真ならば証明を与え,偽ならば反例を与えよ。

命題A nが正の整数ならば,n326+100n2が成り立つ。

命題B 整数nml5n+5m+3l=1をみたすならば,
10nm+3ml+3nl<0が成り立つ。

難易度4/ 10計算量3/ 10目安12

方程式・不等式整数論証・証明 反例構成、不等式評価、式変形

方針

命題Aは全称命題なので、左辺と右辺の差を整数値で確認し、1つでも負になる例を探せばよい。命題Bは条件式に n,m が対称に現れるため、s=n+md=nm を導入して lnm を消去する。最後は s=0 が整数条件に反することを確認し、得られた二次式が必ず負になることを示す。

解答

命題Aは偽である。実際,n=17 とすると17326+100172=491326+100289=4913491426=126<0である。したがって 17326+100<172 となり,命題Aの反例が得られる。

命題Bは真である。以下で証明する。まず s=n+m,d=nm とおく。条件 5n+5m+3l=15s+3l=1 であるから 3l=15s である。したがって,示すべき式の左辺は 10nm+3ml+3nl=10nm+3l(n+m)=10nm+3ls と書ける。ここに 3l=15s を代入すると 10nm+3ls=10nm+s5s2 である。

さらに n=s+d2,m=sd2 より nm=s2d24 である。よって10nm+s5s2=10s2d24+s5s2=s52s252d2となる。

ここで s=0 とすると条件式から 3l=1 となり,整数 l が存在しない。したがって s0 でない整数である。ゆえに s1 のとき s52s2152<0 であり,s1 のときも明らかに s52s2<0 である。また 52d20 だから 10nm+3ml+3nl=s52s252d2<0 が従う。よって命題Bは真である。

別解

解法2(命題Bを整数ごとに分離)

方針

命題Aは同じ反例で直ちに否定する。命題Bでは s,d を導入せず、条件式から 3l を消去して、示す式を n だけの項と m だけの項の和へ分離する。各項の符号と等号条件を整数性から調べる。

解答

命題Aは偽である。実際、n=17 のとき17326+100172=4913491426=126<0となるので、n=17 が反例である。

次に命題Bを示す。条件式から3l=15(n+m)である。したがって10nm+3ml+3nl=10nm+3l(n+m)=10nm+(n+m)5(n+m)2=(5n2n)(5m2m)となる。

整数 k に対して5k2k=k(5k1)0である。実際、k1 なら両因子は正、k=0 なら 0k1 なら両因子は負である。また、等号が成り立つ整数は k=0 だけである。

よって上の式は 0 以下である。もし 0 なら n=m=0 でなければならないが、このとき条件式は 3l=1 となり、整数 l は存在しない。したがって等号は起こらず10nm+3ml+3nl<0である。ゆえに命題Bは真である。

総評

難度4、計算量3。目安時間は12分。命題Aは全称命題を反例で否定する典型で、n=17 の代入を分数まで正確に確認できればよい。命題Bは n,m の対称性に気づき、条件式で l を消すのが採点上の中心である。第1解法は s=n+m,d=nm による平方和、第2解法は式を (5n2n)(5m2m) と直接分離して、異なる形で厳密な負を確認した。どちらも等号が条件式と両立しないことまで書く必要がある。反例と証明を混同せず、Aは偽、Bは真と最初に明示すると答案が読みやすい。

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出典: 東京大学 2015年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。