方針
,とおき,小数をで表す。よりである。(1)は平方しての入る半開区間を作り,左端と右端の小数部分を評価して整数を2つに絞る。(2)も同じ半開区間を考え,長さが1より大きいことから整数の存在を示す。(3)は存在を仮定してを平方し,からを導いて矛盾させる。
解答
とおく。このとき である。なので である。
(1)
与えられた不等式は と書ける。したがって である。両辺は正なので平方して を得る。
左端は である。より だから,左端以上の最小の整数は である。
右端は である。ここで である。したがって右端未満の整数は,多くても までであり,実際にこれら2つは区間に入る。よって求める正の整数は である。
(2)
同様に,求めるは半開区間に含まれる整数であればよい。この区間の長さはである。
仮定より なので である。まただから,区間の長さは1より大きい。
任意の半開区間でなら,なので,その中に整数が少なくとも1つ存在する。したがって上の半開区間にも整数が存在する。その整数をとすれば,求める不等式を満たす。
(3)
条件を満たす正の整数が存在すると仮定する。 とおくと,仮定は を意味する。したがって であり,両辺にを掛けて を得る。さらに平方すると である。
左辺はで割り切れるので,もで割り切れる。であるから,平方数がで割り切れるなら,はで割り切れる。よって である。ところがはで割り切れるから となる。
しかし なので,はで割り切れない。これは矛盾である。したがって を満たす正の整数は存在しない。
別解
解法2
方針
小数をとする点は同じだが,不等式全体を倍してから平方し,『長さごとに並ぶの倍数が,連続平方数の間に入るか』という整数問題へ翻訳する。(2)は区間長をと比較する。
解答
,とおく。するとである。
(1) 与えられた不等式を倍し,正のまま平方すると両端をで割ればここで,だから,整数解は(2) とおく。求める条件はである。区間の長さはである。仮定からなのでである。の倍数は間隔で並ぶから,長さがより大きい半開区間には必ずその倍数が1つ以上入る。これをとすれば,所要の正整数が得られる。
(3) 条件を満たすがあると仮定し,とおくとは整数である。平方してだから,素因数2と5の指数を比較すればである。よってとなるが,に矛盾する。したがってそのようなは存在しない。
総評
難度8,計算量7。目安時間は32分。小数をに置き換えて,平方根の条件を整数が入る半開区間に直すことが核心である。(1)では左端が整数より少し大きく,右端は最大でも次の整数ちょうどまでしか行かないため,2個だけが残る。(2)は区間の長さが1より大きいことから整数の存在を保証するが,半開区間なのでを使う説明が安全である。(3)はからを出す割り切りが山場で,最後にと矛盾させる。