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東京大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

zを複素数とする。複素数平面上の3点A(1),B(z),C(z2)が鋭角三角形を
なすようなzの範囲を求め,図示せよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

複素数平面図形と方程式 内積の利用、実部虚部比較、軌跡円の性質

方針

z=X+Yiとおき,3点A(1),B(z),C(z2)の各頂点での内積が正である条件を計算する。複素数平面では,ベクトルu,vの内積はRe(uv)で表せる。ABCの順に計算すると,条件はX>1X<0z2+X>0となる。したがって,縦帯1<X<0のうち,中心(1/2,0),半径1/2の円の外部を図示する。

解答

z=X+Yiとおく。複素数平面で,複素数u,vが表す2つのベクトルの内積は Re(uv) で表せる。

まず頂点Aでの条件を調べる。AからB,Cへ向かうベクトルは z1,z21=(z1)(z+1) である。したがって内積はRe{(z1)(z1)(z+1)}=z12Re(z+1)=z12(X+1)である。鋭角条件はこれが正であることなので X>1 である。

次に頂点Bでの条件を調べる。BからA,Cへ向かうベクトルは 1z,z2z=z(z1) である。内積はRe{(1z)z(z1)}=Re{z12z}=z12Xである。したがって X<0 である。

最後に頂点Cでの条件を調べる。CからA,Bへ向かうベクトルは 1z2=(1z)(1+z),zz2=z(1z) である。内積はRe{(1z)(1+z)z(1z)}=1z2Re{(1+z)z}である。ここでRe{(1+z)z}=Re(z+zz)=X+z2なので,条件は z2+X>0 である。

以上を合わせると 1<X<0,X2+Y2+X>0 である。後半は (X+12)2+Y2>14 と書ける。

したがって求める範囲は,縦帯 1<X<0 のうち,中心(1/2,0),半径1/2の円の外部である。ただし,境界は鋭角でなく直角または点の一致に対応するため含まない。

別解。
各頂点での直角条件を先に曲線として求めることもできる。ABでの直角条件はそれぞれ直線X=1X=0となり,Cでの直角条件は円(X+1/2)2+Y2=1/4となる。鋭角側を代表点で判定すれば,同じ領域が得られる。

別解

解法2

方針

3辺をz1,zz1,z+1z1と因数分解して求め,鋭角三角形の必要十分条件『各辺の2乗が他の2辺の2乗和より小さい』を使う。共通因子z12を消去すると,2直線と1円の不等式が直接得られる。

解答

z=X+Yiとおく。3辺の長さはAB=z1,BC=zz1,CA=z+1z1.点が一致する場合は鋭角三角形にならないので,以下ではz1>0として共通因子を消去できる。各辺の2乗が他の2辺の2乗和より小さい条件を順に使うとCA2<AB2+BC2z+12<1+z2X<0,BC2<CA2+AB2z2<z+12+1X>1,AB2<BC2+CA21<z2+z+12X2+Y2+X>0.したがって1<X<0,(X+12)2+Y2>14.縦帯の境界と円周はいずれも含まない。

総評

難度6,計算量5。目安時間は22分。複素数平面の問題だが,本質は3頂点での内積条件である。z2z=z(z1)z21=(z1)(z+1)と因数分解すると,z12が共通因子として出て計算が短くなる。最終図示は縦帯1<X<0から小円の内部を除く形で,境界を含まない。z=0,1,1などの点の一致は条件から自然に除かれるが,図では境界除外を明示したい。

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出典: 東京大学 2016年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。