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東京大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

nを2以上の整数とする。
自然数(1以上の整数)のn乗になる数をn乗数と呼ぶことにする。
以下の問いに答えよ。

(1) 連続する2個の自然数の積はn乗数でないことを示せ。

(2) 連続するn個の自然数の積はn乗数でないことを示せ。

難易度6/ 10計算量3/ 10目安14

整数論証・証明 素因数分解、背理法、範囲評価

方針

(1) は連続する2整数が互いに素であることを使う。互いに素な2数の積が n 乗数なら、それぞれの素因数の指数が n の倍数になるため、各因数自身も n 乗数である。しかし正の n 乗数が1だけ違うことはない。(2)は背理法で、連続する n 個の積を an とおく。積の大きさから k<a<k+n1 を導き、a+1 がその連続する n 個の中に含まれることを利用する。a+1 の素因数は左辺の積を割るので an を割り、結局 a も割ることになって互いに素性に矛盾する。

解答

(1)
連続する2個の自然数を k,k+1 とする。この2数は互いに素である。

仮に k(k+1)=an となる自然数 a が存在するとする。kk+1 は互いに素なので、素因数分解において k に現れる素数と k+1 に現れる素数は重ならない。積 k(k+1)n 乗数なら、各素数の指数はすべて n の倍数であるから、kk+1 はそれぞれ n 乗数でなければならない。

したがって k=un,k+1=vn と書ける。すると v>u1 であり、vnun(u+1)nun である。n2 だから (u+1)nun>1 である。一方、vnun=(k+1)k=1 なので矛盾する。よって連続する2個の自然数の積は n 乗数ではない。

(2) n=2 のときは(1)そのものである。以下では n3 とする。

連続する n 個の自然数を k, k+1, , k+n1 とし、その積が n 乗数であると仮定する。すなわち k(k+1)(k+n1)=an となる自然数 a が存在するとする。

左辺の各因数は k 以上であり、しかも k+1 以上の因数も含むので kn<an である。したがって k<a である。また、各因数は k+n1 以下であり、しかも k+n2 以下の因数も含むので an<(k+n1)n である。したがって a<k+n1 である。以上より k<a<k+n1 を得る。 a は整数で n3 だから k+1ak+n2 である。よって a+1{k,k+1,,k+n1} である。

ここで a+1>1 なので、a+1 はある素数 p で割り切れる。この a+1 は左辺の因数の1つであるから、p は左辺 k(k+1)(k+n1) を割る。ところが左辺は an に等しいので、pan を割り、したがって a を割る。

一方、pa+1 も割るので、p(a+1)a=1 を割ることになる。これは素数 p について不可能である。よって仮定は誤りであり、連続する n 個の自然数の積は n 乗数ではない。

総評

難度6、目安時間14分。計算は少ないが、整数論証の組み立てが必要な問題である。(1)では互いに素な因数の積が n 乗数なら各因数も n 乗数になる、という素因数分解の根拠を省略しすぎないこと。(2)では an と置いた後、大小評価から k<a<k+n1 を作るのが決定打で、そこから a+1 が連続する因数の中に現れる。最後の素数 p による矛盾は短いが、panpa まで明記したい。

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出典: 東京大学 2012年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。