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東京大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

座標空間内を,長さ2の線分ABが次の2条件(a),(b)をみたしながら動く。

(a) 点Aは平面z=0上にある。

(b) 点C(0,0,1)が線分AB上にある。

このとき,線分ABが通過することのできる範囲をKとする。
Kと不等式z1の表す範囲との共通部分の体積を求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

図形と方程式積分ベクトル 図形的解釈体積計算座標設定、計算整理

方針

Cを基準にし,z1側の点の高さをh=z1Cからの水平距離をρCからその点までの距離をsとおく。その点を通る線分をCの反対側へ延長して平面z=0に届くまでの距離は,相似からs/hである。線分全体の長さが2なので,s+s/h2が通過条件になる。これをρ,hの不等式に直し,高さhでの円断面の面積を積分する。

解答

C(0,0,1)を基準にして考える。z1側の点を取り,その点のCからの高さを h=z1(h0) とする。また,その点のCからの水平方向の距離をρとする。すると,その点とCとの距離ss=ρ2+h2 である。

まずh>0として考える。この点が線分AB上にあるとする。線分はCを通り,反対側へ延長すると点Aを含む平面z=0に達する。Cから上側の点までの距離がs,その鉛直方向の増加がhであるから,この直線上で鉛直方向に1だけ下がって平面z=0に達するまでの距離は,相似により sh である。

線分ABの長さは2であり,Cはその線分上にある。したがって,上側に距離sだけ進み,反対側に平面z=0まで距離s/hだけ進むことができるための条件は s+sh2 である。すなわち s2hh+1 である。

これをρ,hで書くと ρ2+h24h2(h+1)2 であり,ρ24h2(h+1)2h2=h2(1h)(h+3)(h+1)2 である。

右辺が0以上でなければ断面は存在しない。h0ではh20h+3>0(h+1)2>0なので,必要十分条件は 0h1 である。h=0では断面は点Cだけで,体積には影響しない。

したがって,高さhにおける断面は半径の2乗が h2(1h)(h+3)(h+1)2 である円であり,その面積は πh2(1h)(h+3)(h+1)2 である。よって求める体積VV=π01h2(1h)(h+3)(h+1)2dh である。

被積分関数を整理すると h2(1h)(h+3)(h+1)2=h2+48h+1+4(h+1)2 である。したがって01h2(1h)(h+3)(h+1)2dh=[h33+4h8log(h+1)4h+1]01=(13+48log22)(4)=1738log2である。よって求める体積は π(1738log2) である。

別解。
通過条件は,線分の向きを単位ベクトルで置いても導ける。鉛直成分がh/sである方向に,平面z=0まで戻る距離がs/hとなるので,結局s+s/h2に帰着する。断面を円として積分する点は同じである。

別解

解法2

方針

q=ACを線分上の位置を表す変数にする。AとCの高さの差が1なので,線分方向の鉛直成分は1/qである。高さ1+hの点までの距離と水平方向距離をq,hで表し,AC+CP2から許されるqの最大値を求める。回転対称性で円断面を得て積分する。

解答

q=ACとおく。AからCまでに高さが1増えるので,線分方向の単位ベクトルの鉛直成分は1/qであり,q1である。

高さz=1+hにある線分上の点をPとする。CからPまでの鉛直増加がhだからCP=qh.Pが長さ2の線分内にある条件はAC+CP=q(1+h)2.したがって1q21+h.この範囲が空でないための条件は0h1である。

線分方向の水平成分の大きさは11/q2なので,CからPまでの水平距離はρ=qh11q2=hq21.これはqとともに増加する。線分は鉛直軸の周りに任意の方向を向けるから,高さ1+hの断面は円であり,半径の2乗はρmax2=h2{4(1+h)21}=h2(1h)(h+3)(h+1)2.よって体積はV=π01h2(1h)(h+3)(h+1)2dh.被積分関数をh2+48h+1+4(h+1)2と分解すればV=π[h33+4h8log(h+1)4h+1]01=π(1738log2).

総評

難度8,計算量7。目安時間は35分。線分が動く空間領域を直接描くのは難しいため,高さごとの断面で見るのが有効である。Cから上側の点までの距離sと,反対側へ延長して平面z=0に届くまでの距離s/hを相似で出せるかが核心である。条件s+s/h2から断面半径が決まり,0h1だけを積分する。最後の有理式分解と対数項の計算も重いので,原始関数を明記して符号ミスを防ぎたい。

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出典: 東京大学 2016年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。