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東京大学 2013年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

次の命題Pを証明したい。

命題P 次の条件(a),(b)をともに満たす自然数(1以上の整数)Aが存在する。

(a) Aは連続する3つの自然数の積である。

(b) Aを10進法で表したとき,1が連続して99回以上現れるところがある。

以下の問いに答えよ。

(1) yは自然数とする。このとき不等式x3+3yx2<(x+y1)(x+y)(x+y+1)<x3+(3y+1)x2が成り立つような正の実数xの範囲を求めよ。

(2) 命題Pを証明せよ。

難易度7/ 10計算量5/ 10目安30

整数数と式論証・証明 存在証明、範囲評価、逆算

方針

(1) は中央の数を x+y と見て積を (x+y)3(x+y) に直し、左右の不等式を別々に整理する。左側は自然数 y なら全 x>0 で成り立ち、右側だけが上に開く二次不等式を与える。(2) は99個の1からなる整数 R の各位の和が99であることから R=3y とする。十分大きい x=10N を (1) に入れ、積 A を幅 102N の区間に挟む。最後に A/102N=10N+R と書いて、99桁の1が繰り上がりで崩れないことを厳密に示す。

解答

(1) (x+y1)(x+y)(x+y+1)=(x+y)3(x+y)である。展開すると(x+y1)(x+y)(x+y+1)=x3+3yx2+(3y21)x+y3y.左側の不等式は(3y21)x+y3y>0と同値である。y は自然数なので 3y21>0, y3y0 であり、これはすべての x>0 で成り立つ。

右側の不等式はx2(3y21)x(y3y)>0と同値である。
この二次式の2解のうち大きい方は3y21+(3y21)2+4(y3y)2である。もう一方の解は0以下なので、x>0 のもとで求める範囲はx>3y21+9y4+4y36y24y+12.(2)
99個の1が並ぶ整数をR=11111199とする。各位の和が99なので R は3の倍数である。そこで自然数y=R3をとる。

(1) の下限を超えるように十分大きい自然数 N を選び、さらに N100 としてx=10Nとおく。そしてA=(10N+y1)(10N+y)(10N+y+1)と定める。これは連続する3つの自然数の積である。

(1)3y=R より103N+R102N<A<103N+(R+1)102N.両辺を 102N で割ると10N+R<A102N<10N+R+1.したがってA102N=10N+R.N>99 なので、整数 10N+R の末尾99桁はすべて1である。この整数は A102N の位以上の桁を切り出したものだから、A の10進表示にも1が連続して99回現れる。よって A は条件 (a), (b) をともに満たし、命題Pが証明された。

総評

難度7、目安時間30分。誘導不等式を使って、連続3整数の積の10進表示へ指定した桁列を埋め込む存在証明である。採点上は、99個の1からなる R が3の倍数なので 3y=R とできること、10N を (1) の下限より大きく取れること、上下両方の不等式で桁上がりを封じることの3点が必要になる。単に「十分大きければ1が並ぶ」と述べるだけでは不十分であり、床関数で上位桁が 10N+R に固定されることまで書くと完全である。

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出典: 東京大学 2013年度 前期 理科 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。