方針
(1) は中央の数を x+y と見て積を (x+y)3−(x+y) に直し、左右の不等式を別々に整理する。左側は自然数 y なら全 x>0 で成り立ち、右側だけが上に開く二次不等式を与える。(2) は99個の1からなる整数 R の各位の和が99であることから R=3y とする。十分大きい x=10N を (1) に入れ、積 A を幅 102N の区間に挟む。最後に ⌊A/102N⌋=10N+R と書いて、99桁の1が繰り上がりで崩れないことを厳密に示す。
解答
(1) (x+y−1)(x+y)(x+y+1)=(x+y)3−(x+y)である。展開すると(x+y−1)(x+y)(x+y+1)=x3+3yx2+(3y2−1)x+y3−y.左側の不等式は(3y2−1)x+y3−y>0と同値である。y は自然数なので 3y2−1>0, y3−y≧0 であり、これはすべての x>0 で成り立つ。
右側の不等式はx2−(3y2−1)x−(y3−y)>0と同値である。
この二次式の2解のうち大きい方は23y2−1+(3y2−1)2+4(y3−y)である。もう一方の解は0以下なので、x>0 のもとで求める範囲はx>23y2−1+9y4+4y3−6y2−4y+1.(2)
99個の1が並ぶ整数をR=99桁111⋯111とする。各位の和が99なので R は3の倍数である。そこで自然数y=3Rをとる。
(1) の下限を超えるように十分大きい自然数 N を選び、さらに N≧100 としてx=10Nとおく。そしてA=(10N+y−1)(10N+y)(10N+y+1)と定める。これは連続する3つの自然数の積である。
(1) と 3y=R より103N+R102N<A<103N+(R+1)102N.両辺を 102N で割ると10N+R<102NA<10N+R+1.したがって⌊102NA⌋=10N+R.N>99 なので、整数 10N+R の末尾99桁はすべて1である。この整数は A の 102N の位以上の桁を切り出したものだから、A の10進表示にも1が連続して99回現れる。よって A は条件 (a), (b) をともに満たし、命題Pが証明された。
総評
難度7、目安時間30分。誘導不等式を使って、連続3整数の積の10進表示へ指定した桁列を埋め込む存在証明である。採点上は、99個の1からなる R が3の倍数なので 3y=R とできること、10N を (1) の下限より大きく取れること、上下両方の不等式で桁上がりを封じることの3点が必要になる。単に「十分大きければ1が並ぶ」と述べるだけでは不十分であり、床関数で上位桁が 10N+R に固定されることまで書くと完全である。
冊子PDFで見る東大の整数の問題で問題集を作る
出典: 東京大学 2013年度 前期 理科 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。