方針
(1) はが素数であることから,ではとが互いに素である点を使う。恒等式により各二項係数がの倍数であることを示し,で最大公約数がを超えないことを押さえる。(2)は問題の指定通りに関する帰納法で進め,を二項定理で展開して,帰納法の仮定との定義を同時に使う。
解答
(1)
を素数とする。を任意にとる。このときはで割り切れないので,とは互いに素である。
二項係数について が成り立つ。右辺はの倍数であるから,左辺はの倍数である。いまとは互いに素なので,自身がの倍数でなければならない。
したがってはいずれもで割り切れる。よって,これらの最大公約数もの倍数である。一方で がこの並びの中に含まれているので,はを超えることはできず,またを割り切る。以上より である。
(2)
すべての自然数について,がで割り切れることを帰納法で示す。
まずのとき であり,これはで割り切れる。
次に,ある自然数について がで割り切れると仮定する。二項定理よりである。したがってとなる。
右辺の第1項は帰納法の仮定によりで割り切れる。またはの最大公約数なので,和に現れる各二項係数はすべてで割り切れる。よって右辺全体がで割り切れる。
したがってもで割り切れる。数学的帰納法により,すべての自然数に対して ことが示された。
総評
難度6、計算量4。目安時間は15分程度で,(1)は「素数だから中間二項係数がの倍数」という事実を,割り算の言葉だけで済ませずにで説明するのが採点上安全である。(2)は問題文が帰納法を指定しているので,二項定理で出る中間係数がすべての倍数であることを明示する。典型的なミスは,を使わずの上限を示し忘れること,展開後にの処理を落として係数をずらすことである。