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東京大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

座標平面上でx座標とy座標がいずれも整数である点を格子点という。格子点上を次の規則(a)(b)に従って動く点Pを考える。

(a) 最初に,点Pは原点Oにある。

(b) ある時刻で点Pが格子点(m,n)にあるとき,その1秒後の点Pの位置は,隣接する格子点(m+1,n),(m,n+1),(m1,n),(m,n1)のいずれかであり,これらの点に移動する確率はそれぞれ14である。

(1)Pが,最初から6秒後に直線y=x上にある確率を求めよ。

(2)Pが,最初から6秒後に原点Oにある確率を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率場合の数 状態分類数え上げ、独立性の利用、計算整理

方針

(1) は文科第3問と同じくu=yxを追う。各歩でuは確率1/2ずつ+11に変化するので,6歩後にu=0となる場合を二項係数で数える。(2)は原点に戻るための必要十分条件を,右と左の回数が等しく,上と下の回数が等しいことに分解する。右左をそれぞれi回,上下をそれぞれ3i回とおき,i=0,1,2,3で操作列を多項係数により数える。

解答

(1) u=yx とおく。右または下へ動くとu1だけ変化し,上または左へ動くとu+1だけ変化する。したがって1回ごとに,uは確率1/2+1,確率1/21だけ変化する。

最初は原点なのでu=0である。6秒後に直線y=x上にあるためには,6回の変化の和が0であればよい。これは+1が3回,1が3回起こることと同値である。よって求める確率は 6C326=2064=516 である。

(2)
6秒後に原点へ戻るためには,右へ動いた回数と左へ動いた回数が等しく,かつ上へ動いた回数と下へ動いた回数が等しくなければならない。右と左の回数をそれぞれi回,上と下の回数をそれぞれj回とすると 2i+2j=6 より i+j=3 である。

したがってi=0,1,2,3について数える。各iに対し,j=3iであり,操作列の数は 6!i!i!j!j! である。よって原点に戻る操作列の総数は i=036!i!i!(3i)!(3i)! である。各項は6!0!0!3!3!=20,6!1!1!2!2!=180,6!2!2!1!1!=180,6!3!3!0!0!=20なので,合計は 400 通りである。

全操作列は46通りであるから,求める確率は 40046=4004096=25256 である。

別解

解法2

方針

U=x+yV=yxと座標変換する。1歩ごとの(ΔU,ΔV)は4通りの符号の組を等確率でとるため,U,Vは独立な1次元単純ランダムウォークになる。(1)はV=0,(2)はU=V=0として求める。

解答

U=x+yV=yxとおく。右,上,左,下への1歩による(ΔU,ΔV)はそれぞれ(1,1),(1,1),(1,1),(1,1)である。したがって,各歩でΔUΔVはそれぞれ独立に確率1/21,1をとる。

6歩後に,UまたはVが0となる確率をrとおく。11が3回ずつ現れればよいからr=6C326=516.(1) 直線y=xV=0で表される。よって求める確率は516.(2) 原点にあることはU=0かつV=0と同値である。両者は独立だからP=r2=(516)2=25256.

総評

難度5,計算量4。目安時間は15分。(1)は直線からのずれyxだけを見ればよいが,(2)はそれだけでは原点復帰を判定できない。原点に戻る条件は横方向と縦方向の回数がそれぞれつり合うことなので,右左・上下の4種類の回数を分けて数える必要がある。多項係数で一括して書くと,20,180,180,20の根拠が明確になる。

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出典: 東京大学 2017年度 前期日程 数学(理科)第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。