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東京大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

複素数平面上の原点以外の点zに対して,w=1zとする。

(1) αを0でない複素数とし,点αと原点Oを結ぶ線分の垂直二等分線をLとする。点zが直線L上を動くとき,点wの軌跡は円から1点を除いたものになる。この円の中心と半径を求めよ。

(2) 1の3乗根のうち,虚部が正であるものをβとする。点βと点β2を結ぶ線分上を点zが動くときの点wの軌跡を求め,複素数平面上に図示せよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

複素数平面図形と方程式 軌跡円の性質、実部虚部比較、図形的解釈

方針

(1) は垂直二等分線をz=zαと表し,展開してからz=1/wを代入する。両辺にw2をかけるとwの円の方程式になり,w=0だけは対応するzがないので除く。(2)ではβ,β2を具体的に書き,線分が直線Rez=1/2上の有限部分であることを使う。これはα=1の垂直二等分線なので,対応する円w+1=1のうち,端点と中点の像から左側の弧を選ぶ。

解答

(1)
zが,原点Oと点αを結ぶ線分の垂直二等分線L上にあることは z=zα と表せる。両辺を2乗して整理すると zzˉ=(zα)(zˉαˉ) より αˉz+αzˉ=α2 である。 w=1/zなのでz=1/wであり,w0である。これを代入すると αˉw+αwˉ=α2 である。両辺にw2=wwˉをかけると αˉwˉ+αw=α2w2 を得る。これを平方完成すると w1α2=1α2 である。

したがって円の中心は 1α 半径は 1α である。ただしw=0はどの有限のzにも対応しないので,この円から点0を除いたものが軌跡である。

(2)
1の3乗根のうち虚部が正であるものは β=12+32i であり,β2=1232i である。したがって線分ββ2は,直線 Rez=12 上で 32Imz32 を満たす部分である。

この直線は,原点と点1を結ぶ線分の垂直二等分線である。よって(1)でα=1とした円 w+1=1 上に移る。

あとは,線分のどの部分に対応する弧かを確認する。端点ではz=βw=1β=β2,z=β2w=1β2=βである。また線分の中点z=1/2では w=2 である。したがって軌跡は,円w+1=1のうち,ββ2を結び,点2を通る弧である。

すなわち w+1=1,Rew12 を満たす部分であり,両端w=β,β2を含む。

別解

解法2

方針

(1)α=A+Biw=u+viと成分表示し,反転後の方程式を円の標準形にする。(2)は線分をz=1/2+tiと媒介し,w=1/zの実部・虚部から円と弧の範囲を直接決める。

解答

(1) α=A+Biw=u+viとおく。垂直二等分線の条件はz=zαであり,整理するとαˉz+αzˉ=α2となる。z=1/wを代入し,両辺にw2を掛けるとαw+αˉwˉ=α2w2.成分で書けば(A2+B2)(u2+v2)2(AuBv)=0.よって(uAA2+B2)2+(v+BA2+B2)2=1A2+B2.したがって中心は複素数1/αが表す点,半径は1/αである。ただしw=0z=1/wに対応しないので除く。

(2) 線分ββ2z=12+ti,32t32と表せる。したがってw=1z=12ti14+t2.w=u+viとするとu=12(14+t2),v=t14+t2.これらから(u+1)2+v2=1,2u12を得る。よって軌跡は円w+1=1のうちRew1/2の弧で,両端β,β2を含む。

総評

難度6,計算量5。目安時間は20分。反転w=1/zで直線が円に移る事実を暗記で使うのではなく,z=zαから直接導く問題である。中心が1/α1/αˉかを取り違えやすいので,平方完成の係数を丁寧に確認したい。(2)では全直線ではなく線分なので,端点と中点の像を調べて,円の左右どちらの弧かを決めるのが安全である。

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出典: 東京大学 2017年度 前期日程 数学(理科)第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。