方針
正三角形の条件はであり,単位ベクトル,についてと同値である。(1)ではを固定して距離条件を引き算し,の存在範囲を求める。(2)ではが平面上の単位ベクトルとして動けるので,の平面への射影の長さが以上であることが必要十分となる。これをに直し,辺が通過する単位球内の方向制限領域を断面で積分する。
解答
(1) とおく。点がにあるので,とから および が成り立つ。2つの式を引くと より である。したがって であり,の座標の範囲は である。
またであり,だから である。上のの範囲から であり,なので である。
(2)
辺の方向を表す単位ベクトルを とおく。またの方向を とおく。は平面上にあり,なので である。
正三角形の条件は である。より だから が必要十分である。
ここでは平面内の任意の単位ベクトルである。したがって,あるについてが成り立つための必要十分条件は,の平面への射影の長さが以上であること,すなわち である。より,これは すなわち と同値である。
したがっては,単位球内の点のうち,原点からその点へ向かう方向が を満たす点全体である。原点は体積に影響しないので除いて考えてよい。 を固定して,平面に平行な断面を考える。単位球内である条件は である。また方向条件は であり,整理して となる。断面が存在するためには すなわち である。
この範囲のに対して断面は,半径の円から半径の円を除いた部分である。したがって断面積は である。よってである。計算するとである。
別解
解法2
方針
正三角形条件から許されるの方向を求めたあと,軸からの距離で円筒殻を取る。各で許されるの長さを,方向条件と単位球条件の小さい方として場合分けする。
解答
(1) ,とする。より差を取ると,したがってである。よってまただから(2) の方向の単位ベクトルをとする。正三角形条件はである。は平面内の任意の単位ベクトルなので,そのようなが存在する条件は内の点についてとおく。方向条件と単位球条件はそれぞれ両上限が等しいのはである。半径,厚さの円筒殻を使うと
総評
難度7,計算量6。目安時間は27分。正三角形を空間内で動かす問題だが,本質は単位ベクトル同士の内積である。(2)ではが平面内を自由に動けるため,方向の成分が十分長いかどうかを見る。方向条件を得たあと,辺全体が通過する領域は単位球内の扇形状の立体になる。断面では外側の円だけでなく,方向条件で除かれる内側の円を引く点が計算上の注意点である。