方針
原点を通る直線を とおき、放物線との交点が重解をもつ条件から2本の接線を求める。点 から各接線までの距離を計算すると、 は絶対値を含む区分的一次関数になる。(2)では、 が上方へ無限に広がることから を得る。 のときは境界の放物線上だけを調べ、二次式がすべての実数 で非正となる条件を判別式で求める。
解答
(1)
原点を通る直線を とおく。放物線との交点の 座標はを満たす。接する条件はこの方程式が重解をもつことだから、したがって であり、2本の接線はである。
とおく。点と直線の距離の公式よりよって括弧内を とおく。その傾きはである。したがって は まで減少し、その後増加する。求める点はである。
(2)
は上方へ無限に広がる。 なら、 を固定して を十分大きくしたとき となるため不適である。よって が必要である。
のとき、正負両方の に対して が必要なので である。
とし、 とおく。固定した に対して は が小さいほど大きいので、境界 上だけを調べればよい。すなわちがすべての実数 で成り立つ条件を求める。左辺は下に開く二次式なので、その最大値が0以下となる条件は判別式が0以下であること、すなわちこれを解くと を戻し、 の場合も合わせるとを得る。
別解
解法2
方針
接点の 座標を先に求め、距離の平方根が各接点からの横方向の距離に比例することを利用する。(2)は、原点を通る直線 が放物線 の下側にある条件を、原点から に引いた2本の接線の傾きの間に入る条件として幾何的に読む。
解答
(1)
直線 が に接するとき、接点の 座標を とする。放物線の接線の傾きは だから、接線はこれが原点を通る条件は であり、接点は に対応する。
から各接線までの距離を計算すると では、 を右へ動かすと第1項は速さ1で減り、第2項は速さ で増える。差し引きでは減少する。区間の外では から離れると和が増えるので、最小点は 、すなわちである。
(2)
とする。不等式を放物線の境界上で調べるとがすべての実数 で成り立つことと同値である。これは、原点を通る直線が放物線 を横切らず、その下側にあることを意味する。
原点から に引ける2本の接線の傾きは であるから、この直線の傾きはを満たせばよい。 に注意して整理するとまた では だけが可能である。よってである。
総評
難度6、目安時間25分。(1)は接線の重解条件と点と直線の距離を正確に扱う問題である。距離そのものではなく平方根の和なので、最終的に絶対値の一次式へ落とすのが要点となる。(2)では、領域が上方へ無限に広がることから を最初に確定する。その後は境界の放物線だけを調べればよい。答えは境界線を含む閉領域であり、 では原点だけになる。判別式による代数的確認と、接線の傾きによる幾何的確認を突き合わせると符号ミスを防げる。