東京大学 2018年度
文系数学 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 数列、場合の数、整数
- 解法
- 二項定理、漸化式の変形、範囲評価、計算整理
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 —
問題
数列 a1,a2,… を
an=n!2nCn(n=1,2,…)
で定める。
(1)a7 と 1 の大小を調べよ。
(2)n≧2 とする。
an−1an<1
を満たす n の範囲を求めよ。
(3)an が整数となる n≧1 をすべて求めよ。
出典:東京大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第2問
方針
解法1
2nCn と 2n−2Cn−1 の比を階乗で整理し、隣接比 an/an−1 を n の式にする。(1)は正確な分数を計算する。(2)は隣接比が1未満となる条件を二次不等式に直す。(3)は n≧4 での単調減少と a7<1 を組み合わせて大きい n を除き、残る有限個を直接確認する。
解法2
隣接比を漸化式 n2an=2(2n−1)an−1 として読む。(2)は平方完成で符号を決める。(3)では a1,…,a7 を漸化式で順に作り、a7<1 になった後は隣接比が1未満であることから、以後ずっと整数にならないと判定する。
解答
解法1
(1)
a7=7!14C7=50403432=210143<1.
したがって
a7<1
である。
(2)
n≧2 とする。階乗表示を用いると
an−1an=n!2nCn2n−2Cn−1(n−1)!=n2(2n)(2n−1)⋅n1=n22(2n−1).
したがって
an−1an<1⟺n2−4n+2>0.
二次方程式 n2−4n+2=0 の解は 2±2 である。n≧2 は整数だから、求める範囲は
n≧4
である。
(3)
(2)より
a4>a5>a6>a7>a8>⋯>0.
しかも (1) で a7<1 と分かったので、n≧7 では 0<an<1 となり整数ではない。残る 1≦n≦6 を調べると
nan12233310412355102166077
である。よって an が整数となるのは
n=1,2
だけである。
解法2
(1)
組合せを直接約分すれば
a7=(7!)314!=22⋅3⋅5⋅72⋅11⋅13=210143<1.
(2)
定義から得られる漸化式
n2an=2(2n−1)an−1
より
an<an−1⟺(n−2)2>2.
n≧2 は整数なので、これは n≧4 と同値である。
(3)
漸化式を n=2,3,… の順に使うと
2,3,310,1235,1021,6077,210143
を得る。最初の2項だけが整数である。また n≧4 では
0<an−1an<1
だから、a7<1 となった後の項はすべて 0<an<1 である。したがって答えは
n=1,2
である。