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東京大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

Oを原点とする座標平面を考える。不等式x+y1が表す領域をDとする。また,点PQが領域Dを動くとき,
OR=OPOQをみたす点Rが動く範囲をEとする。

(1) DEをそれぞれ図示せよ。

(2) abを実数とし,不等式xa+yb1が表す領域をFとする。
また,点STが領域Fを動くとき,
OU=OSOTをみたす点Uが動く範囲をGとする。
GEと一致することを示せ。

難易度4/ 10計算量3/ 10目安15

図形と方程式ベクトル論証・証明 図形的解釈座標設定必要十分条件、同値変形

方針

Dx+y1 で表される原点中心のひし形である。点 RPQ なので、三角不等式から xR+yR2 が必要になる。逆にこの不等式を満たす点は P=R/2Q=R/2 と取れば実現できるため、必要十分条件が得られる。(2)では FD(a,b) だけ平行移動した領域であることを使い、2点の差を取ると平行移動分が消えることを示す。

解答

(1) Dx+y1 で表される領域である。したがって、頂点 (1,0),(0,1),(1,0),(0,1) をもつひし形である。

次に P=(x1,y1)Q=(x2,y2)R=(X,Y) とおく。R=PQ だから X=x1x2,Y=y1y2 である。よって三角不等式よりX+Y=x1x2+y1y2x1+x2+y1+y2=(x1+y1)+(x2+y2)2である。したがって Ex+y2 の中に含まれる。

逆に、X+Y2 を満たす点 R=(X,Y) を任意に取る。このときP=(X2,Y2),Q=(X2,Y2)とおけば X/2+Y/21 なので、P,Q はどちらも D に属する。また PQ=(X,Y) である。よって E: x+y2 である。これは頂点 (2,0),(0,2),(2,0),(0,2) をもつひし形である。

(2) FD をベクトル (a,b) だけ平行移動した領域である。したがって、S,TF を動くことは、ある D の点 P,Q を用いて S=(a,b)+P,T=(a,b)+Q と書けることと同じである。

このとき U=ST=((a,b)+P)((a,b)+Q)=PQ である。右辺 PQ が動く範囲は(1)で求めた E そのものだから、GE である。

逆に、任意の E の点はある D の点 P,Q により PQ と書ける。この P,Q から S=(a,b)+PT=(a,b)+Q と取れば、S,TF に属し、U=ST=PQ となる。したがって EG でもある。

以上より G=E である。

別解

解法2

方針

領域の和と差として処理する。原点対称な凸領域 D では DD=D+D=2D であり、平行移動した領域の差では移動ベクトルが相殺される。

解答

(1)
D は原点対称であるから D=D である。したがってRの動く領域はE=DD=D+(D)=D+D.D は凸集合なので、P,QD に対して (P+Q)/2D である。よってD+D=2D.したがってE: x+y2.D の頂点は (±1,0),(0,±1)E の頂点は (±2,0),(0,±2) である。

(2)
v=(a,b) とおけば F=D+v である。したがってG=FF=(D+v)(D+v)=DD=E.よって平行移動の位置によらず GE と一致する。

総評

難度4、目安時間15分。絶対値で表されたひし形の差集合を扱うが、計算量は少ない。重要なのは X+Y2 が必要であることを示すだけで終えず、P=R/2,Q=R/2 による実現可能性まで書くことである。(2)は平行移動した2点の差では平行移動分が消える、という一点が本質であり、記号を整理すれば短く証明できる。図示では DE の相似比が1対2であることを明確にする。

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出典: 東京大学 2019年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。