Evolton

東京大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

abを実数とする。座標平面上の放物線C:y=x2+ax+bは放物線y=x2と2つの共有点を持ち,
一方の共有点のx座標は1<x<0を満たし,
他方の共有点のx座標は0<x<1を満たす。

(1)(a,b)のとりうる範囲を座標平面上に図示せよ。

(2) 放物線Cの通りうる範囲を座標平面上に図示せよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安22

図形と方程式関数 座標設定、解と係数の関係、図形的解釈、範囲評価

方針

共有点の x 座標は h(x)=2x2+ax+b の2解である。(1) は h(1),h(0),h(1) の符号から係数領域を得る。(2) は2解を 1<s<0<t<1 とおいて a,b を表し,固定した x に対する双一次式の上限・下限を長方形の4隅で比較する。係数領域と通過領域をともに図示し,境界を含まないことを破線で表す。

解答

(1) 2つの放物線の共有点の x 座標はh(x)=2x2+ax+b=0の解である。h は下に凸であるから,(1,0)(0,1) に1解ずつもつことはh(1)>0,h(0)<0,h(1)>0と同値である。よってb<0,b>a2,b>a2を得る。これは3点 (2,0),(2,0),(0,2) を頂点とする三角形の内部であり,境界は含まない。

(2) 2解を 1<s<0<t<1 とおくと2x2+ax+b=2(xs)(xt)よりa=2(s+t),b=2stである。固定した x に対し,放物線上の y 座標はY(s,t)=x22(s+t)x+2stとなる。これは s,t の双一次式なので,長方形 1<s<00<t<1 における上限・下限は4隅の値x2+2x,x22,x2,x22xの最大・最小である。端は許されないので,上限・下限はいずれも到達しない。比較すると通過領域は{x2+2x<y<x22x(x<1),x22<y<x22x(1x<0),x22<y<x2+2x(0x1),x22x<y<x2+2x(1<x)である。

別解

解法2(係数領域を直線で切る)

方針

(1) で得た係数領域を利用する。(2) の条件を yx2=ax+b と見れば,右辺は開三角形上の一次関数であり,3頂点での値 2x,2x,2 の最小値と最大値の間を動く。

解答

(1) 2根を 1<s<0<t<1 とおくと a=2(s+t),b=2st であり,b<0,ba+2>0,b+a+2>0 を得る。逆にこれらは h(1)>0,h(0)<0,h(1)>0 を表す。したがって係数領域は解法1で求めた,3頂点 (2,0),(2,0),(0,2) をもつ開三角形である。

(2)(x,y) を通る条件を yx2=ax+b と書く。固定した x に対し,右辺は (a,b) の一次関数であり,開三角形の3頂点での値は 2x,2x,2 である。この見方では,固定した x ごとに係数平面を平行な直線で切り,その直線が領域を横切るかどうかだけを調べればよい。三角形は凸かつ連結なので,一次関数 ax+b の値は最小の頂点値と最大の頂点値の間をすべて動く。ただし領域が開いているため両端の値は取らない。したがって直線が開三角形と交わるための必要十分条件はmin{2x,2x,2}<yx2<max{2x,2x,2}である。

x<1 では 2x<2<2x1x<0 では 22x<2x0x1 では 22x2x1<x では 2x<2<2x である。よって解法1に示した4つの不等式を得る。大小が等しくなる x=1,0,1 でも上の最小値・最大値の条件がそのまま使え,3本の境界曲線はすべて含まれない。

総評

難度5、計算量5。想定時間は22分程度。(1) は二次式の根の位置を符号条件へ変換する標準問題であり,境界を含まないことまで書けば十分である。(2) は共有点の2つの x 座標を媒介変数にする発想が得点点で,固定した x に対して4つの端の値を比較する整理力が問われる。図示問題では不等号の向きだけでなく,境界線を含まない点を明示することが採点上重要である。

冊子PDFで見る東大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。