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東京大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

a,bを実数とする。座標平面上の放物線y=x2+ax+bCとおく。
Cは,原点で垂直に交わる2本の接線l1,l2を持つとする。
ただし,Cl1の接点P1x座標は,Cl2の接点P2x座標より小さいとする。

(1) baで表せ。またaの値はすべての実数をとりうることを示せ。

(2) i=1,2に対し,円Diを,放物線Cの軸上に中心を持ち,
Piliと接するものと定める。
D2の半径がD1の半径の2倍となるとき,aの値を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15

図形と方程式微分関数 接線・法線座標設定、式変形、必要十分条件

方針

接点の x 座標を t とおき、接線が原点を通る条件をまず式にする。接線の傾きは 2t+a、切片は t2+b なので、原点通過から t2=b が出る。2本の接線の接点は b,b と表せ、垂直条件は傾きの積で処理できる。後半では、円の中心が放物線の軸 x=a/2 上にあり、半径が接線に垂直であることを使う。中心から接点までの横方向のずれを傾き mi で表し、半径 ri=mi2+1/2 に直して半径比を解く。

解答

(1)
放物線 C:y=x2+ax+b 上の接点の x 座標を t とする。この点は (t,t2+at+b) であり、この点における接線の傾きは 2t+a である。したがって接線の方程式は y(t2+at+b)=(2t+a)(xt) すなわち y=(2t+a)xt2+b である。この接線が原点を通るための条件は 0=t2+b であるから t2=b である。

2本の接線が存在し、接点の x 座標が異なるためには b>0 であり、2つの接点の x 座標は、条件の順に t1=b,t2=b である。このとき2本の接線の傾きを m1,m2 とすると m1=a2b,m2=a+2b である。2本の接線は原点で垂直に交わるので m1m2=1 である。よって (a2b)(a+2b)=a24b=1 となり、b=a2+14 を得る。

逆に、任意の実数 a に対して b=a2+14 とおくと b>0 である。したがって t=±b に対応する2本の異なる接線があり、その傾きの積は上の計算より 1 である。ゆえに2本の接線は原点で垂直に交わる。したがって a はすべての実数をとりうる。

(2)
(1)より s=b=a2+12 とおくと、t1=s,t2=s である。放物線の軸は x=a2 である。

接線 li の傾きを mi とする。すなわち m1=a2s=aa2+1,m2=a+2s=a+a2+1 である。このとき m1<0<m2 であり、また m1m2=1 である。

Di の中心を Oi とする。Oi は軸 x=a/2 上にあり、半径 OiPi は接線 li に垂直である。接点 Pix 座標は ti なので、Pi から軸までの横方向のずれは ti+a2=2ti+a2=mi2 である。半径 OiPi は傾き 1/mi の直線上にあるから、その縦方向のずれの大きさは 1mimi2=12 である。したがって半径 riri=(mi2)2+(12)2=mi2+12である。

条件 r2=2r1 より m22+12=2m12+12 である。両辺を2乗して m22+1=4(m12+1) を得る。ここで m1m2=1 だから、u=m12 とおくと m22=1/u である。よって 1u+1=4u+4 すなわち 4u2+3u1=0 である。因数分解すると (4u1)(u+1)=0 であり、u>0 より u=14 である。 m1<0 なので m1=12 である。また m1m2=1 から m2=2 である。一方 m1+m2=(a2s)+(a+2s)=2a だから 2a=12+2=32 となる。したがって a=34 である。

別解

解法2

方針

原点を通る接線を y=mx と置き、放物線との共有点方程式が重解をもつ条件から接線の傾き m1,m2 を主役にする。(2)では m1m2=1 を利用すると、半径比が正の傾き m2 そのものに簡約される。

解答

(1)
原点を通る傾き m の直線 y=mxC に接するための条件はx2+(am)x+b=0が重解をもつこと、すなわち(am)24b=0である。よって2本の接線の傾きはm1=a2b,m2=a+2bである。直交条件 m1m2=1 よりa24b=1,b=a2+14.任意の実数 a に対し b>0 であり、傾きの積が負なので2傾きは相異なる実数である。したがって a はすべての実数をとる。

(2)
傾き mi に対応する接点の x 座標は重解ti=mia2である。放物線の軸 x=a/2 から接点までの横の距離は mi/2、半径は接線に垂直なので縦の距離は 1/2 となる。よってri=1+mi22.m1m2=1 かつ m1<m2 より m1<0<m2 である。q=m2>0 とおくと m1=1/q だからr2r1=1+q21+q2=q.条件 r2=2r1 より q=2、したがって m1=1/2,m2=2 である。2根の和 m1+m2=2a からa=m1+m22=34を得る。

総評

放物線の接線条件を重解で処理する問題。目安時間は15分前後。駿台分析では、(1)は接点設定が多数派で、傾き設定の方が条件に直結する一方、(2)へ進めた答案は約1割とされる。傾きの積が負なら2根が相異なる実数であること、半径の縦成分が 1/2 になることを明記する。

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出典: 東京大学 2022年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。