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東京大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

複素数a,b,cに対して整式f(z)=az2+bz+cを考える。
iを虚数単位とする。

(1) α,β,γを複素数とする。
f(0)=αf(1)=βf(i)=γが成り立つとき,
a,b,cをそれぞれα,β,γで表せ。

(2) f(0)f(1)f(i)がいずれも1以上2以下の実数であるとき,
f(2)のとりうる範囲を複素平面上に図示せよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

複素数平面図形と方程式数と式 文字消去、実部虚部比較、図形的解釈ベクトル成分計算

方針

(1)f(0),f(1),f(i) から得る3本の一次式を解く。(2) は α,β,γ を区間 [1,2] の独立な実数と見て,f(2) の実部・虚部を一次式にする。単位立方体の8頂点の像を求め,その凸包の外側6点を順につないで六角形を描く。

解答

(1) f(0)=c=α である。またa+b=βα,a+bi=γαである。両式を加えると(1+i)b=β+γ2αとなるのでa=βγ+i(β+γ2α)2,b=(β+γ2α)(1i)2,c=αである。

(2) (1)よりf(2)=(3βγα)+i(β+γ2α)である。α=1+u,β=1+v,γ=1+w とおくと 0u,v,w1 であり,f(2)=1+(u+3vw)+i(2u+v+w)となる。立方体の8頂点の像は(u,v,w)f(2)(u,v,w)f(2)(0,0,0)1(1,0,0)2i(0,1,0)4+i(0,0,1)i(1,1,0)3i(1,0,1)1i(0,1,1)3+2i(1,1,1)2である。1,2 は内部にあり,外側の6頂点は1i,2i,3i,4+i,3+2i,iである。したがって求める範囲は,これらを順に結んだ六角形の周および内部である。

別解

解法2(補間公式と線分の和で求める)

方針

3点 0,1,i における値から2次式を補間する。補間基底を展開すれば(1)の係数が直ちに得られ,z=2 を代入すれば f(2)α,β,γ の一次結合になる。(2) では各値の区間幅1に対応する3本の線分の和として領域を作り,端点和から六角形を得る。

解答

(1) 3点 0,1,i に対する補間公式よりf(z)=iα(z1)(zi)+βz(zi)1iγz(z1)1+iである。実際,z=0,1,i を代入すれば,それぞれ α,β,γ になる。これを z について整理するとa=βγ+i(β+γ2α)2,b=(β+γ2α)(1i)2,c=αを得る。

(2) 補間公式に z=2 を代入するとf(2)=(12i)α+(3+i)β+(1+i)γである。α=1+u,β=1+v,γ=1+w とおけばf(2)=1+u(12i)+v(3+i)+w(1+i),0u,v,w1となる。

つまり点1から出発し,方向 12i3+i1+i の3本の線分を独立に足し合わせた領域である。端点の和を順に調べると外周の頂点は1i,2i,3i,4+i,3+2i,iとなる。各係数の区間は閉区間なので,この六角形は周も含む。

総評

難度5、計算量5。想定時間は20分程度。(1) は複素係数の連立一次方程式を落ち着いて解く問題で,1+i で割る場面の実部・虚部の整理が小さな山である。(2) は3つの実数パラメータの線形像として見ると図形が明確になる。頂点候補8点のうち外側の6点だけが六角形の頂点になるため,内部点まで頂点として描かないこと,また [1,2] が閉区間なので境界を含むことが注意点である。

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出典: 東京大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。