方針
裏が出るたびに進む方向が次の へ切り替わり、表が出たときだけ移動する。そこで、裏で表の列を区切り、裏がすでに 回出ている間に出る表の回数を とおく。位置ベクトルは であり、 と から、3方向の合計歩数が等しいことが原点復帰の必要十分条件になる。あとは各方向に属するブロックの非負整数解を数える。
解答
裏が合計 回出たとする。裏がすでに 回出ている間に出た表の回数を とおく。ここで であり、 は0以上の整数である。このとき最終位置は で表される。
またである。3方向ごとの表の回数をとおくとである。 と は平行でないので、上のベクトルが になることは と同値である。
(1) のとき、原点に戻るには表の総数が3の倍数でなければならない。したがって表の回数は または である。
表が0回のときは、5回すべて裏であり、これは1通りである。
表が3回のときは裏が2回である。ブロックは の3個で、原点復帰条件は である。したがって出方は の1通りである。ただし は表、 は裏を表す。
有利な出方は合計 通りである。全事象は 通りなので、求める確率は である。
(2)
表が90回、裏が8回出るとする。このときブロックは の9個である。原点に戻るためには3方向に30回ずつ進む必要があるから である。
それぞれの式について、3個の非負整数の和が30となる解の個数は である。3つの式は互いに別々の変数を含むので、条件を満たす出方は 通りである。
コイン投げ全体の出方は 通りであり、上の数え上げでは表90回・裏8回という条件もすでに満たしている。したがって求める確率は である。
別解
解法2
方針
3方向の合計歩数を とし、ベクトルの各座標を直接比較して原点復帰が と同値であることを示す。裏で区切られる表の連続回数を弱い組合せとして数える。
解答
各方向へ進んだ回数を とすると、最終位置はしたがって原点復帰の必要十分条件は である。
(1)
表の総数は3の倍数で、 では0回または3回。0回は の1通り。3回なら各方向1回ずつ必要で、方向は裏のたびにのみ変わるからの1通りに限る。よって確率は(2)
8回の裏で表の列を区切ると、9個の表の連続回数 ができる。方向ごとに各式の非負整数解は 通りで、表90回・裏8回の並びとこの9数は一対一に対応する。したがってである。
総評
長い規則を、裏で区切った表のブロックへ翻訳する場合の数。目安時間は12〜15分。駿台分析では(1)の完答者は全場合を列挙した答案に限られ、約4割が0点。原点復帰の『十分性』だけでなく座標比較で必要性も示し、(2)では表裏の並べ方を二重に掛けない。