方針
円と放物線の接線の傾きをで一致させ,対称性から,次いでを決める。偶関数となる放物線と軸の交点を求め,面積を対称区間で積分する。最後にを微分し,での唯一の極小点と等号条件を確定する。
解答
(1)
とおく。より である。
円上の点における接線は の形で表されるので,点での接線の傾きはである。したがって,点 での円の接線の傾きはそれぞれ である。
放物線の導関数は である。で円と共通の接線を持つから,傾きを一致させてを得る。2式を加えると より である。また,2式を引くと であり,だから である。
さらに,放物線はを通るので である。を用いると となるから, である。よって である。
(2)
(1)より放物線は である。軸との交点は より である。
この区間で放物線は軸の上側にあるから,求める面積は である。被積分関数は偶関数なので,とおくとである。したがって である。
(3) とおく。直接微分するとである。分母とは正なので,の符号はの符号で決まる。したがってはする。よって最小値はでとる。
このときである。ゆえに である。
等号を与える のとき,円,放物線,面積 の位置関係は次の図のようになる。
青い部分の横幅は であり,放物線の偶対称性を用いた積分区間と一致する。
別解
別解((3)を因数分解だけで示す)
方針
(1) (2)で得た面積式を出発点にし,微分を使わずに不等式を証明する。なので2乗し,と置いての分子を因数分解する。等号条件も因数から直ちに読む。
解答
(1) (2) 共通接線の傾きの一致と点を通る条件からしたがってを得る。
(3) であるから,はと同値である。とおくとであり,分母とは正であるから,不等号は確かに成り立つ。よってである。等号は,すなわちのときに成立する。
総評
円との共通接線条件を傾きで処理し,最後に1変数の面積評価へ落とす微積分問題。難度4,計算量4,想定時間18分。 の対称性から が出ること,円の接線の傾きを と正しく使うことが前半の得点源である。面積計算では放物線が偶関数になるため,交点を と置いて偶関数積分にすると短い。(3)は微分による増減と因数分解による評価の2通りを独立表示した。
【出典確認】 東京大学公式「令和6年度前期日程第2次学力試験・文科数学」PDF第4ページを原寸画像で照合し,点の座標,角度範囲,3小問を確認した。東京大学から公式解答・採点講評は公表されていないため,本解説は公式解答を称していない。
【独立検算】 接線条件を代数的に再代入し, が放物線上にあり両曲線の微分係数が一致することを確認した。さらに を展開して元の式と一致すること,等号が のみで生じることを確認した。