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東京大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

座標平面上で,放物線C:y=ax2+bx+cが2点P(cosθ,sinθ)
Q(cosθ,sinθ)を通り,点Pと点Qのそれぞれにおいて
x2+y2=1と共通の接線を持っている。ただし,0<θ<90とする。

(1) a,b,cs=sinθを用いて表せ。

(2) 放物線Cx軸で囲まれた図形の面積Asを用いて表せ。

(3) A3を示せ。

難易度4/ 10計算量4/ 10目安18

三角関数微分積分図形と方程式 接線・法線、パラメータ処理、面積計算微分による最大最小

方針

円と放物線の接線の傾きをP,Qで一致させ,対称性からb=0,次いでa,cを決める。偶関数となる放物線とx軸の交点を求め,面積を対称区間で積分する。最後にA(s)を微分し,0<s<1での唯一の極小点と等号条件を確定する。

解答

(1)
s=sinθとおく。0<θ<90より 0<s<1,cosθ>0 である。

x2+y2=1上の点(x,y)における接線は xx0+yy0=1 の形で表されるので,点(x0,y0)での接線の傾きはx0/y0である。したがって,点 P(cosθ,s),Q(cosθ,s) での円の接線の傾きはそれぞれ cosθs,cosθs である。

放物線C:y=ax2+bx+cの導関数は y=2ax+b である。P,Qで円と共通の接線を持つから,傾きを一致させて2acosθ+b=cosθs,2acosθ+b=cosθsを得る。2式を加えると 2b=0 より b=0 である。また,2式を引くと 4acosθ=2cosθs であり,cosθ>0だから a=12s である。

さらに,放物線はPを通るので s=acos2θ+c である。cos2θ=1s2を用いると s=1s22s+c となるから,c=s+1s22s=1+s22s である。よって a=12s,b=0,c=1+s22s である。

(2)
(1)より放物線は y=x22s+1+s22s=1+s2x22s である。x軸との交点は 1+s2x2=0 より x=±1+s2 である。

この区間で放物線はx軸の上側にあるから,求める面積AA=1+s21+s21+s2x22sdx である。被積分関数は偶関数なので,L=1+s2とおくとA=1s0L(L2x2)dx=1s[L2xx33]0L=1s(L3L33)=2L33sである。したがって A=2(1+s2)3/23s である。

(3) A(s)=2(1+s2)3/23s(0<s<1) とおく。直接微分するとA(s)=23{3s(1+s2)1/21s(1+s2)3/21s2}=2(1+s2)1/23s2(2s21)である。分母と(1+s2)1/2は正なので,A(s)の符号は2s21の符号で決まる。したがってA(s)0<s<12で減少,12<s<1で増加する。よって最小値はs=12でとる。

このときAmin=2(1+12)3/2312=2(32)3/223=3である。ゆえに A3 である。

等号を与える s=1/2 のとき,円,放物線,面積 A の位置関係は次の図のようになる。

青い部分の横幅は 21+s2 であり,放物線の偶対称性を用いた積分区間と一致する。

別解

別解((3)を因数分解だけで示す)

方針

(1) (2)で得た面積式を出発点にし,微分を使わずに不等式を証明する。A>0なので2乗し,u=s2と置いてA23の分子を因数分解する。等号条件も因数から直ちに読む。

解答

(1) (2) 共通接線の傾きの一致と点Pを通る条件からa=12s,b=0,c=1+s22s,したがってA=2(1+s2)3/23s(0<s<1)を得る。

(3) A>0であるから,A3A230と同値である。u=s2とおくと0<u<1であり,A23=4(1+s2)39s23=4(1+u)327u9u=(2u1)2(u+4)9u0.分母9uu+4は正であるから,不等号は確かに成り立つ。よってA3である。等号は2u1=0,すなわちs=1/2のときに成立する。

総評

円との共通接線条件を傾きで処理し,最後に1変数の面積評価へ落とす微積分問題。難度4,計算量4,想定時間18分。P,Q の対称性から b=0 が出ること,円の接線の傾きを x/y と正しく使うことが前半の得点源である。面積計算では放物線が偶関数になるため,交点を ±1+s2 と置いて偶関数積分にすると短い。(3)は微分による増減と因数分解による評価の2通りを独立表示した。

【出典確認】 東京大学公式「令和6年度前期日程第2次学力試験・文科数学」PDF第4ページを原寸画像で照合し,点の座標,角度範囲,3小問を確認した。東京大学から公式解答・採点講評は公表されていないため,本解説は公式解答を称していない。

【独立検算】 接線条件を代数的に再代入し,P,Q が放物線上にあり両曲線の微分係数が一致することを確認した。さらに A23=(2s21)2(s2+4)/(9s2) を展開して元の式と一致すること,等号が s=1/2 のみで生じることを確認した。

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出典: 東京大学 令和6年度前期日程 第2次学力試験 文科数学(公式問題PDF)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。