方針
(1) は与えられた0.3<log102<0.31から0.69<log105<0.7を作り,27log105<19<28log105を示す。(2)はm=28で成り立つことは(1)から直ちに分かる。最小性の確認では,m≦27なら5m+4m≦527+427なので,m=27でも1019に届かないことを示せば十分である。527でくくり,1019/527=219/58と比較する。
解答
(1) log105=log10210=1−log102 である。問題の条件 0.3<log102<0.31 より 0.69<log105<0.7 である。
n=27については 27log105<27⋅0.7=18.9<19 であるから 527<1019 である。一方,n=28については 28log105>28⋅0.69=19.32>19 であるから 528>1019 である。したがって,5n>1019となる最小の自然数nは 28 である。
(2)
(1)より528>1019であるから,m=28なら 528+428>1019 である。よって,あとはm≦27では成り立たないことを示せばよい。
m≦27では5m+4m≦527+427なので,m=27の場合を上から評価する。 527+427=527{1+(54)27} である。ここで(54)27<(54)5=31251024=390625128000<390625133663である。したがって1+(54)27<1+390625133663=390625524288=58219となる。よって 527+427<527⋅58219=219519=1019 である。
以上より,m≦27では不成立で,m=28では成立する。したがって求める最小の自然数mは 28 である。
総評
与えられた常用対数の評価を,境界の自然数だけに使う問題。難度4,計算量4,想定時間15分。(1)は27と28を挟み撃ちし,(2)は単調性により m=27 だけを上から抑えればよい。427 を無視せず,(4/5)27 にまとめて厳密な分数評価を与えるのが核心である。
【出典確認】 東京大学公式「令和6年度前期日程第2次学力試験・文科数学」PDF第6ページを原寸画像で照合し,1019,自然数 n,m,使用可能な評価 0.3<log102<0.31 を確認した。公式解答・採点講評は公表されていない。
【独立検算】 多倍長整数で 527<1019<528 および 527+427<1019<528+428 を直接比較し,両方の最小値が28であることを確認した。答案中の上界 1+(4/5)27<219/58 も分母を払った整数比較で成立する。
冊子PDFで見る東大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 東京大学 令和6年度前期日程 第2次学力試験 文科数学(公式問題PDF)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。