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東京大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

この問いでは,0以上の整数の2乗になる数を平方数と呼ぶ。
aを正の整数とし,fa(x)=x2+xaとおく。

(1) nを正の整数とする。
fa(n)が平方数ならば,naであることを示せ。

(2) fa(n)が平方数となる正の整数nの個数をNaとおく。
次の条件(i),(ii)が同値であることを示せ。

(i) Na=1である。

(ii) 4a+1は素数である。

難易度6/ 10計算量4/ 10目安18

整数方程式・不等式論証・証明 展開・因数分解、素因数分解、必要十分条件、約数・倍数、場合分け

方針

(1)n>a と仮定し,fa(n)=n2+na が連続する平方数 n2(n+1)2 の間に入ることを示す。(2)は fa(n)=m2 とおいて,平方完成ではなく差の平方に直し,4a+1=(2n+12m)(2n+1+2m) を得る。この式により,解 n4a+1 の正の奇数因数分解を対応させる。素数なら因数分解は1通り,合成数なら 1 との分解以外にも分解があり,解が2個以上になる。

解答

(1) n>a と仮定する。このとき fa(n)=n2+na である。n>a より na>0 だから n2<n2+na=fa(n) である。一方,a は正の整数なので na<n+1<2n+1 であり,したがって fa(n)=n2+na<n2+2n+1=(n+1)2 である。

よって n>a のとき,fa(n) は連続する2つの平方数 n2,(n+1)2 の間にある。連続する平方数の間に平方数は存在しないから,fa(n) は平方数ではない。したがって,fa(n) が平方数ならば na である。

(2)
まず,fa(n) が平方数であるとする。m を0以上の整数として fa(n)=m2 と書くと,n2+na=m2 である。両辺を4倍して整理すると 4a+1=(2n+1)2(2m)2 となる。よって 4a+1=(2n+12m)(2n+1+2m) である。

ここで,2n+1+2m は正である。また m2=n2+na<n2+n<(n+12)2 より m<n+12 である。m,n は整数なので 2m<2n+1 となり,2n+12m>0 である。したがって,上の式は 4a+1 の正の奇数因数分解を与える。

逆に,4a+1 の正の奇数因数分解 4a+1=de,1de をとる。4a+11(mod4) であるから,de はともに 1(mod4) またはともに 3(mod4) である。したがって ed0(mod4),d+e20(mod4) であり,n=d+e24,m=ed4 は整数である。このとき 2n+1=d+e2,2m=ed2 なので (2n+1)2(2m)2=de=4a+1 である。よって n2+na=m2 となり,fa(n) は平方数である。(d,e)=(1,4a+1) のときは n=a だから,少なくとも正の整数解は存在する。

以上より,fa(n) が平方数となる正の整数 n は,4a+1 の正の奇数因数分解 4a+1=dede に対応する。 4a+1 が素数であるとする。このとき正の因数分解は 4a+1=1(4a+1) だけである。これに対応する解は n=1+(4a+1)24=a のみである。したがって Na=1 である。

反対に,4a+1 が合成数であるとする。4a+1 は奇数なので,4a+1=de,1<de<4a+1 となる正の奇数因数分解を取ることができる。この分解から得られる n=d+e24 は正の整数である。また d+e<de+1=4a+2 が成り立つ。実際,これは (d1)(e1)>0 と同値である。したがって n=d+e24<4a4=a である。

一方,因数分解 4a+1=1(4a+1) からは n=a が得られる。よって合成数の場合は少なくとも2つの異なる正の整数 n が存在し,Na1 である。

以上より Na=14a+1 は素数 が示された。

総評

難度6,計算量4。想定時間は18分前後。(1)は n>a のときに fa(n) が隣り合う平方数の間に入ることを見る標準的な評価である。(2)は 4a+1 を差の平方として因数分解する発想が核心になる。解から因数分解,因数分解から解の両方向を示す必要があり,特に 2n+12m>0 と,合成数の場合に得られる解が n=a と異なることを明記したい。整数問題としては論証の抜けが点差になりやすい。 さらに、因数対 (d,e)(n,m) の対応は積 de と和 d+e から逆に復元できるため一対一である。4a+1 が完全平方の場合も d=e, m=0 として含まれる。

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出典: 東京大学 2025年度 第2次学力試験 数学(理系)公式問題(大学公式の問題PDF(10ページ))。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。