方針
素因数を 、、 の3群に分ける。数えられる約数では3の指数は0であり、 の群は共通倍率 を与える。 の群では選択指数和の偶奇が余り1・2に対応する。各指数範囲にある偶数・奇数の個数差を掛け合わせて を示し、(3)では「上限に奇数がある場合」と「すべて偶数の場合」に分けて候補と具体例を確定する。
解答
(1)
まず である。ここで である。
約数はと表される。 は3で割った余りが常に1なので,余りを決めるのは の部分である。 も も3で割ると2余るので, が偶数なら余りは1,奇数なら余りは2である。 では偶数の が3個,奇数の が2個ある。 では偶数の が2個,奇数の が1個ある。したがって が偶数になる選び方は 通りであり,奇数になる選び方は 通りである。さらに は0または1の2通りあり,余りを変えない。よって である。
(2)
任意の正の整数 を考える。 の素因数のうち,3そのものの指数は, の個数には直接影響しない。なぜなら,約数が3を因数にもつと,その約数は3で割り切れ,余り1または2にはならないからである。したがって,数えられる約数では3の指数は0に限られる。
3で割って1余る素因数からなる部分の約数の個数を とする。この部分はどのように選んでも3で割った余りが1なので,余り1と余り2の個数を同じ倍率 だけ増やす。
次に,3で割って2余る素因数を とする。この部分の約数は と表される。各 であるから,指数和 が偶数なら余りは1,奇数なら余りは2である。
各 について, に含まれる偶数の個数を ,奇数の個数を とする。指数を順に選ぶとき,偶数和と奇数和の個数差はとなる。実際,新しい指数を加えるたびに差はその指数範囲の「偶数の個数と奇数の個数の差」倍になる。 が奇数なら ,偶数なら であるから, は0または1である。よって必ず となる。
全体では であるから, が成り立つ。
(3)
(2)と同じ記号を用いる。3で割って2余る素因数部分について,指数選択の総数を とする。また,指数和が偶数になる選び方の数を ,奇数になる選び方の数を とする。
まず,少なくとも1つの が奇数である場合を考える。このとき,その について の中の偶数の個数と奇数の個数が等しい。したがって全体でも偶数和と奇数和の選び方は同数になり, である。この場合 より, なら である。この値は実際に可能である。たとえば,3で割って2余る素数を1つだけ指数29で含めれば , となる。
次に,すべての が偶数である場合を考える。このとき各 は奇数なので は奇数であり,偶数和の選び方が奇数和の選び方より1だけ多い。すなわち である。
条件 は であるから である。ここで は奇数なので は偶数である。したがって は偶数でなければならない。 は30の正の約数であるから,可能な は である。
このとき である。したがって,対応する の値は である。これらも実際に可能である。 に対し とおけば,, で,2の指数 は偶数,7の部分の約数個数は となる。したがって順に が実現する。なお は で実現する。
以上より, のとき としてありうる値は である。
総評
難度8/10、計算量6/10。想定時間は25分。3で割って1余る素因数は個数を共通倍率 だけ増やし、2余る素因数は選んだ指数和の偶奇で余り1・2を決める、という分解が全問の核である。採点上は、3を含む約数はそもそも に数えないこと、偶数和と奇数和の個数差が各指数範囲の差の積になって0または1であることを示すと(2)が厳密になる。(3)では上限指数に奇数がある場合とすべて偶数の場合を分け、可能値の列挙だけでなく具体例で実現性まで確認する。典型的な失点は素因数3の指数を倍率に入れることと、必要条件 から得た候補が実現するかを確認しないことである。別解として母関数に を代入する方法もあるが、高校答案では偶奇選択の積で説明する本解が自然である。抽象化が重いので、時間不足時は(1)を完答し、(2)の の式までを優先したい。