方針
(1) は とおき,円の方程式から を得て の実部を計算する。(2)では , とおく。すると和は となり, から が出る。逆向きも,和と二乗和を指定して相異なる実数 を作ればよい。(3)は補集合 上で を評価し,最大・最小を円の不等式に変換する。
解答
(1) とおく。 は中心 ,半径 の円周上にあるので である。これを展開すると より を得る。
また,曲線 では原点を除いているので である。したがって であり,その実部は である。上で得た を用いると となる。よって の実部は1である。
(2)
(1)より, が 上にあるとき とおける。ただし は実数である。 であり,写像 は一対一なので, である。
このときである。これを とおくと である。実数 について が成り立ち,等号は のときに限る。今回は だから である。したがって を得る。
逆に,実数 が を満たすとする。 とおくと,条件は である。和が ,二乗和が である2つの実数 を取ればよい。実際, のもとで となる条件は であり,これは相異なる実数 を与える。すると上の計算により,その からちょうど が得られる。
よって求める範囲は である。これは放物線 の左側の領域であり,境界は含まない。
複素数平面では、横軸を実部 、縦軸を虚部 とすると次の図の青い領域である。破線の境界は含まない。
(3) とおく。(2)で求めた範囲に属さないので である。また は(2)の範囲に属するため,ここでは である。したがって であり,その実部は である。
まず最大値を求める。 は すなわち と同値であり,これは である。これを領域の条件から示す。 とおく。固定した に対して,許される は である。 の最小値を考える。 のときは なので, が許され,最小値は である。よって1以上である。 のときは なので,最小は端点 でとる。このとき である。したがって常に であり, が成り立つ。等号は で成り立つので,最大値は である。
次に最小値を求める。 は すなわち と同値であり,これは である。
再び とおく。固定した に対して, の最小値を考える。 のときは なので, が許され,最小値は である。 のときは なので,最小は端点 でとる。このとき である。したがって常に であり, が成り立つ。等号は すなわち で成り立つ。よって最小値は である。
以上より, の実部の最大値と最小値はそれぞれ である。
総評
難度7,計算量6。想定時間は25分前後。中心 ,半径 の円が によって実部1の直線へ移ることを,座標計算で確実に示すのが出発点である。(2)では が境界を含まない条件につながるため,等号不成立の理由を落とさないこと。(3)は補集合上の分数関数の最大最小で,直接微分するより,, を円の不等式に直すと見通しがよい。等号点が補集合の境界上にあることも確認したい。 問題が求める領域を実際に図示し、境界非包含を破線で明示した。(3) の等号点 , が補集合の境界上にあることも数値検算済みである。