問題
複素数平面上で,原点を中心とする半径 の円を とする。複素数 と 上の点 に対して
で定まる点 の軌跡を とする。
(1) とする。 とするとき, のとりうる値の範囲を求めよ。
(2) が動くとき, が正の実軸および負の実軸の両方と共有点をもつような点 の存在範囲の面積を求めよ。
方針
により の偏角が3倍されることを使う。(1)は点 から単位円を見込む偏角の範囲を3倍して正弦を評価する。(2)は正実軸・負実軸に移る6方向を 間隔で並べ、点 から単位円を見込む半角 の中に異種の隣接2方向が入る条件を数える。 の境界を別に確認し、許容される偏角の全幅を極座標で積分する。
解答
(1)
であるから である。 が原点中心,半径1の円上を動くとき, は点 から単位円上の点へ向かうベクトルを表す。
このベクトルの偏角を とする。点 から単位円を見込む角の半角は,直角三角形から である。したがって である。 なので, の偏角 は と表される。ここで であるから,この範囲では は について単調増加する。よって の最大値は のとき,最小値はその反対のときに得られる。 のとき,3倍角の公式より
である。したがって求める範囲は である。
(2)
である。 が正の実軸上にあるためには, の偏角が のいずれかであればよい。また, が負の実軸上にあるためには, の偏角が のいずれかであればよい。つまり, 刻みの6方向が,正実軸に対応する方向と負実軸に対応する方向に交互に分かれている。
点 の原点からの距離を とする。 では は単位円の内部にあるので,任意の方向の半直線が単位円と共有点をもつ。 では が与える は実軸の正負いずれの部分にも含まれないが, から円上の他の点へ向かう方向全体は開いた半円をなす。長さ のこの区間には, 間隔で交互に並ぶ6方向のうち隣り合う2方向が必ず含まれるので,正の部分と負の部分の双方に共有点をもつ。したがって はすべて条件を満たす。
以下 とする。点 から単位円を見込む方向は,原点へ向かう方向を中心とする角の範囲であり,その半角を とすると すなわち である。
条件を満たすには,この見込み角の中に,正実軸に対応する方向と負実軸に対応する方向が少なくとも1つずつ入ればよい。6方向は 間隔で交互に並ぶので,これは見込み角が隣り合う2方向を含むことと同値である。
隣り合う2方向の中点は6個あり,それらも 間隔で並ぶ。1組の隣り合う2方向を両方含むためには,見込み角の中心方向がその中点から 以内にあればよい。したがって ,すなわち では条件を満たさない。
また ,すなわち では,どの中心方向でも条件を満たす。,すなわち では,許される中心方向の全幅は である。
よって,求める面積 は極座標で
である。
ここで部分積分により
である。したがって
である。上端では であり,下端では
である。よって
である。
したがって
である。これを整理すると となる。よって求める面積は である。