Evolton

横浜国立大学 2018年度 前期理系数学 第5問

xy 平面上に双曲線C1:y=1xがある。C1 上の点P(t,1t)(t>0)における C1 の接線を l とする。放物線C2:y=x2+ax+ba,b は実数)は点 P を通り、C1 と第3象限において共有点をただ1つもつとする。C2l で囲まれた部分の面積を S とする。次の問いに答えよ。

(1) l の方程式を求めよ。

(2) a,b をそれぞれ t の式で表せ。

(3) St の式で表せ。

(4) t が正の実数全体を動くとき、S の最小値を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

微分積分関数 接線・法線、解と係数の関係、面積計算微分による最大最小

方針

C1C2 の共有点は x3+ax2+bx1=0 の解で表される。正の解 t を1つもち、第3象限で共有点がただ1つであるため、残りの負の解は重解になる。これで a,b を求め、直線と放物線の2交点間の面積公式を積分で出す。

解答

(1)
y=1/x の導関数は 1/x2 である。よって P(t,1/t) における接線はy1t=1t2(xt)すなわちy=xt2+2tである。

(2)
C1C2 の共有点の x 座標はx2+ax+b=1xすなわちx3+ax2+bx1=0の解である。この方程式は x=t を解にもつ。第3象限の共有点がただ1つであるため、残り2つの解は同じ負の数である。これを u (u>0) とおくと、解の積よりtu2=1であるから u=1/t である。したがってx3+ax2+bx1=(xt)(x+1t)2である。係数を比較してa=2tt,b=1t2tを得る。

(3)
(1)の直線と C2 の差を考える。C2l=0 の一つの解は x=t である。もう一つの解を s とするとts=b2t=1t2tよりs=1t22tである。s<x<t で直線が放物線の上にあるからS=st{lC2}dx=st(xs)(xt)dx=(ts)36である。したがってS=16(t+2t+1t2)3である。

(4) D=t+2t+1t2を最小にすればよい。u=t (u>0) とおくとD=u2+2u+1u4である。微分してdDdu=2u2u24u5=2(u6u32)u5である。よって u3=2 のとき最小となる。このとき t=u2=22/3 であり、u6=4 からDmin=u2+u2+u24=9u24である。したがってSmin=16(9u24)3=24332である。

別解

解法2

方針

第3象限の唯一の共有点を x=u とおき、そこで2曲線が接することから関数値と微分係数を一致させる。面積は放物線と直線の差を交点で因数分解し、最小化は相加平均・相乗平均で処理する。

解答

(1) ddx(1x)=1x2より、点 P における接線はl:y1t=1t2(xt).したがってl:y=xt2+2t.(2)

第3象限の共有点の x 座標を uu>0 とする。交点方程式は3次方程式で、正の解 t をすでにもつ。負の共有点がただ1つなので、残り2つの負の解は一致し、u は重解である。したがって C1C2x=u で接する。

関数値と微分係数を一致させるとu2au+b=1u,2u+a=1u2.後式からa=2u1u2であり、前式へ代入してb=u22u.一方、点 P を通る条件はt2+at+b=1t.上の a,b を代入して左辺へ移すと(t1u2)(t+u)2=0.t>0u>0 だからt=1u2,u=1t.よってa=2tt,b=1t2t.(3)

C2l の交点の一つは x=t である。もう一つを x=s とすると、2次方程式の解の積からts=b2t=1t2tなのでs=1t22t.区間 s<x<t ではlC2=(tx)(xs).したがってS=st(tx)(xs)dx=(ts)301v(1v)dv=(ts)36.ここで x=s+(ts)v と変数変換した。ゆえにS=16(t+2t+1t2)3.(4)u=t>0 とおくとt+2t+1t2=u2+2u+1u4=(u+1u2)2.相加平均・相乗平均の関係よりu2+u2+1u23143=322/3.等号はu2=1u2,u3=2のときに成り立つ。したがってmin(t+2t+1t2)=924/3.よってSmin=16(924/3)3=24332.

総評

難度7、計算量7。想定時間は25分程度。第3象限の共有点がただ1つであることを負の重解として読むのが核心である。面積は交点を使って (ts)3/6 に整理できるが、最後の最小化では u=t と置いて指数をそろえると計算ミスが少ない。別解では負の重解を接点として微分係数から係数を求め、最小化を相加平均・相乗平均で検算した。問題文中の双曲線・点・放物線は独立表示にして分数の視認性も上げた。

冊子PDFで見る横国の微分の問題で問題集を作る

出典: 横浜国立大学 2018年度 前期 理系数学 第5問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。