Evolton

広島大学 2019年度 前期文系数学 第4問

原点をOとする座標平面上において,点A(0,3),B(0,1)およびx軸上の正の部分を動く点P(t,0)があり,APBは鈍角でないとする.ABPの垂心をH,頂点Aから辺BPに下ろした垂線と辺BPとの交点をD,頂点Bから辺PAに下ろした垂線と辺PAとの交点をEとする.次の問いに答えよ.ただし,三角形の各頂点から対辺,またはその延長に下ろした3本の垂線は1点で交わることが知られている.その交点のことを,三角形の垂心という.

(1) APBが直角となるtの値を求めよ.

(2)Hの座標をtを用いて表せ.
以下では,tが(1)で求めた値よりも大きい値をとるとする.

(3)HODEの内心であることを証明せよ.ただし,1組の対角の和が180である四角形は円に内接することを,証明なしに利用してもよい.

(4) ODEの内接円の半径をtを用いて表せ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

図形と方程式ベクトル 座標設定内積の利用図形的解釈、計算整理

方針

直角条件は PAPB=0 で求める。H,D,E を座標で表し,H から OD,OE,DE への距離が等しいことを示して内心であることを証明する。半径はその共通距離として求める。

解答

(1) PA=(t,3)PB=(t,1) である。APB が直角である条件はPAPB=t23=0であるから,t>0 よりt=3である。

(2)
ABy 軸上にあるので,点 P から AB に下ろす垂線は x 軸である。また,BP の傾きは 1/t だから,A を通り BP に垂直な直線はy=3txである。これと x 軸との交点が垂心 H であるからH(3t,0)である。

(3)
t>3 とする。計算するとD(4tt2+1,3t2t2+1),E(12tt2+9,3(t23)t2+9)である。H(3t,0) から直線 OD までの距離は3(t23)t(t2+1)(t2+9)である。同様に,直線 OE までの距離も同じ値になる。

また,直線 DE の傾きは t2+32t であるから,H から直線 DE までの距離も3(t23)t(t2+1)(t2+9)である。t>3 のとき Dx 軸の下側,E は上側にあり,HODE の内部にある。したがって,HODE の三辺から等距離にある内部の点であり,ODE の内心である。

(4)
(3)で求めた共通距離が内接円の半径である。よって半径は3(t23)t(t2+1)(t2+9)である。

別解

解法2

方針

垂足を求めた後、三角形 ODE の3辺の方程式を対称な形で書く。H から各辺への距離が同じ式になることを、図と直線方程式から一括して示す。

解答

(1) PAPB=(t,3)(t,1)=t23.したがって直角となるのは t=3 である。

(2)
BP の傾きは 1/t なので、A からの高さは y=3tx である。P から AB への高さ y=0 との交点よりH(3t,0).(3)
垂足を計算するとD(4tt2+1,3t2t2+1),E(12tt2+9,3(t23)t2+9).これらから三辺の方程式はOD:(t23)x+4ty=0,OE:(t23)x4ty=0,DE:(t2+3)x2ty6t=0.H=(3/t,0) から各直線までの距離を代入すると、3本とも3(t23)tt4+10t2+9=3(t23)t(t2+1)(t2+9).(1)t>3 では Dx 軸の下、E は上にあり、0<3/t<t だから H は三角形 ODE の内部にある。よって3辺から等距離にある H は内心である。

(4)
内接円の半径は(1)の共通距離なので3(t23)t(t2+1)(t2+9).

総評

難度7,計算量7。想定時間は25分程度。ODOE の方程式が x 軸について対称になり、H がその軸上にあることが内心の見通しを与える。ただし三辺からの等距離だけでは傍心の可能性が残るため、t>3 のもとで H が三角形内部にあることまで確認する。

冊子PDFで見る広大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 広島大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。