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広島大学 2019年度 前期 理系理系数学 第4問

iを虚数単位とし,複素数zに対して,
w=z2+2z+12i
とおく.次の問いに答えよ.

(1) wの実部が0となる複素数z全体を複素数平面上に図示せよ.

(2) w=0を満たす複素数zの個数は2個であることを証明し,それぞれをa+bia,bは実数)の形に書き表せ.

(3) (2)で求めた二つの複素数のうち実部の大きい方をα,実部の小さい方をβとし,対応する複素数平面上の点をそれぞれA,Bとする.また,線分ABの中点をMとする.複素数zに対応する複素数平面上の点が,線分AM上(両端を含む)を動くとき,複素数wの描く図形を複素数平面上に図示せよ.

(4) 複素数zに対応する複素数平面上の点が,点Aを通り線分ABに垂直な直線上を動くとき,複素数wの描く図形を複素数平面上に図示せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

複素数平面図形と方程式 実部虚部比較、座標設定軌跡図形的解釈

方針

z=x+yi として w の実部・虚部を計算する。平方根は z+1=u+vi と置いて実部虚部比較で求める。線分や直線上の点は実パラメータで表し,w の軌跡を座標で読む。

解答

(1)
z=x+yi とおくとw=(x+1+yi)22iであるから,w の実部は (x+1)2y2 である。よって実部が 0 となる点はy=x+1またはy=x1を満たす。したがって,求める図形はこの二直線である。

(2)
w=0(z+1)2=2i と同値である。z+1=u+vi とおくとu2v2=0,2uv=2である。u2=v2 より u=v または u=v であるが,uv=1 より u=v は不可能である。したがって u=vu2=1 であり,z=i,z=2iを得る。よって解は2個である。

(3)
実部の大きい方は α=i,小さい方は β=2i である。線分 AB の中点は M に対応する複素数 1 である。点が線分 AM 上を動くとき,実数 s を用いてz=i+s(1i)(0s1)と表せる。このときz+1=(1s)(1+i)であるからw=2{(1s)21}iである。よって w は虚軸上を動き,実部は 0,虚部は 0 から 2 までの値をとる。すなわち,02i を結ぶ線分である。

(4)
A を通り線分 AB に垂直な直線は,実数 s を用いてz=i+s(1i)と表せる。このときz+1=(1+s)+(1s)iであるからw=4s2s2iである。w=X+Yi と書くと X=4sY=2s2 なのでY=X28である。したがって,求める図形は原点を頂点とし,虚部が負の向きに開く放物線である。

別解

解法2

方針

平行移動 u=z+1 により写像を w=u22i と単純化する。u 平面上の直線・線分を実数パラメータで表し、平方後の実部・虚部から軌跡を読む。

解答

u=z+1 とおくとw=u22i.(1)この平行移動と各軌跡をまとめると次図のようになる。

(1)
u=X+Yi とすると Re(u2)=X2Y2 である。(1)より w の実部が0となる条件はX2Y2=0    Y=±X.X=x+1,Y=y へ戻して、z 平面上の2直線y=x+1,y=x1を得る。

(2)
w=0u2=2i=(1+i)2 だからu=±(1+i).z=u1 より、異なる2解は z=i,2i である。

(3)
A から M までではu=(1s)(1+i)(0s1).よってw=2{(1s)21}i.虚部は0から 2 まで連続に動くので、軌跡は 02i を結ぶ線分である。

(4)
AB の方向は 1+i なので、これに垂直な方向は 1i である。したがってu=(1+i)+s(1i)=(1+s)+(1s)i(sR).(1)へ代入してw=4s2s2i.w=X+Yi と書けば X=4s,Y=2s2 だからY=X28.よって軌跡は原点を頂点として虚軸の負方向へ開く放物線である。

総評

難度6,計算量5。想定時間は18分程度。平行移動 u=z+1 で平方写像の中心を原点へ移すと、2直線・2つの零点・線分・垂線が一つの図でつながる。軌跡問題ではパラメータの範囲が重要で、(3)は放物線ではなく端点を含む線分、(4)は sR なので放物線全体になる。

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出典: 広島大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。