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広島大学 2019年度 前期理系数学 第5問

原点をOとする座標平面上において,点A(0,3),B(0,1)およびx軸上の正の部分を動く点P(t,0)があり,APBは鈍角でないとする.ABPの垂心をH,頂点Aから辺BPに下ろした垂線と辺BPとの交点をD,頂点Bから辺PAに下ろした垂線と辺PAとの交点をEとする.次の問いに答えよ.ただし,三角形の各頂点から対辺,またはその延長に下ろした3本の垂線は1点で交わることが知られている.その交点のことを,三角形の垂心という.

(1) APBが直角となるtの値を求めよ.

(2)Hの座標をtを用いて表せ.
以下では,tが(1)で求めた値よりも大きい値をとるとする.

(3)HODEの内心であることを証明せよ.ただし,1組の対角の和が180である四角形は円に内接することを,証明なしに利用してもよい.

(4) ODEの内接円の半径をtの関数f(t)として表せ.

(5) (4)で求めた関数f(t)は最大値をもつことを示せ.ただし,最大値を与えるtの値を求める必要はない.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安30

図形と方程式ベクトル微分 座標設定内積の利用図形的解釈微分による最大最小

方針

(1) から(4)までは垂心・垂足を座標で求め,三辺への距離の一致から内心と内接円半径を出す。(5) は f(t)2 を調べ,t3+0t0 に近づくことから,正の値をとる閉区間上で最大値をもつことを示す。

解答

(1) PA=(t,3)PB=(t,1) である。直角条件はPAPB=t23=0であるから,t>0 より t=3 である。

(2)
ABy 軸上にあるので,P から AB に下ろす垂線は x 軸である。また BP の傾きは 1/t だから,A を通り BP に垂直な直線は y=3tx である。よって垂心はH(3t,0)である。

(3)
t>3 とする。垂足はD(4tt2+1,3t2t2+1),E(12tt2+9,3(t23)t2+9)である。点 H(3t,0) から直線 OD,直線 OE,直線 DE までの距離はいずれも3(t23)t(t2+1)(t2+9)となる。また t>3 のとき Dx 軸の下側,E は上側にあり,HODE の内部にある。したがって H は三辺から等距離にある内部の点であり,ODE の内心である。

(4)
内接円の半径を f(t) とすると,(3)の共通距離よりf(t)=3(t23)t(t2+1)(t2+9)(t>3)である。

(5)
t>3f(t)>0 である。またf(t)2=9(t23)2t2(t2+1)(t2+9)であるから,t3 に右から近づくと f(t)0 に近づき,t が限りなく大きくなるときも f(t)0 に近づく。

一方,例えば t=3 では f(3)>0 である。したがって,3 に十分近い範囲と,十分大きい範囲では f(t)<f(3) とできる。残った閉区間上で f(t) は連続であるから最大値をとる。よって f(t)t>3 において最大値をもつ。

別解

解法2

方針

(1) から(4)までは三辺の方程式をそろえ、内心条件を「内部にあり、三辺から等距離」として確認する。(5)では u=t2 とおき、F(u)=f(t)2 の対数微分の符号を3次式の増減へ帰着させる。

解答

(1) PAPB=(t,3)(t,1)=t23.よって、APB が直角となるのは t=3 である。

(2)
BP の傾きは 1/t なので、A からの高さは y=3tx である。P から AB への高さ y=0 との交点よりH(3t,0)を得る。

(3)
垂足を計算するとD(4tt2+1,3t2t2+1),E(12tt2+9,3(t23)t2+9).したがって、三辺の方程式はOD:(t23)x+4ty=0,OE:(t23)x4ty=0,DE:(t2+3)x2ty6t=0.H=(3/t,0) からこれら3直線までの距離は、いずれも3(t23)t(t2+1)(t2+9).(1)また、t>3 では Dx 軸の下側、E は上側にあり、0<3/t<t であるから HODE の内部にある。ゆえに H は三辺から等距離にある内部の点、すなわち内心である。

(4)
(1)の共通距離が内接円の半径であるからf(t)=3(t23)t(t2+1)(t2+9)(t>3).(5)
u=t2 とおき、F(u)=f(t)2=9(u3)2u(u+1)(u+9)(u>3)とする。F(u)>0 なので、対数微分によりF(u)F(u)=2u31u1u+11u+9=h(u)u(u3)(u+1)(u+9),(2)ただし h(u)=u39u269u27 であり、h(u)=3(u26u23) である。したがって、u>3 では h3+42 まで減少し、その後は単調に増加する。さらに h(3)=288<0 で、u が限りなく大きくなると h(u) も限りなく大きくなるから、h(u)=0u>3 にただ1つの解 u0 をもつ。

(2) の分母は正であるから、F(u)3<u<u0 で正、u>u0 で負である。よって F、したがって正の平方根 ft=u0 で最大値をもつ。

総評

難度8,計算量8。想定時間は30分程度。垂心・垂足の座標だけで終わらず、三辺の方程式をそろえると内心の証明と半径の導出を同時に整理できる。最大値の存在は、端の挙動と連続性による方法に加え、u=t2 として f(t)2 の増減を調べる方法も有効である。対数微分では分母の正負を先に固定し、3次式 h(u) の零点が1つだけであることまで示す。

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出典: 広島大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。