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北海道大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

原点Oを中心とする単位円周上に,次の(i),(ii)を満たす点列P0,P1,P2,がある.
ただし,P0の座標は(1,0)とする.

(i) P0OPnnとともに単調に増大し,
limnP0OPn=2πである.

(ii) 数列{Pn1OPn} (n=1,2,)
初項θ (θ>0),公比r (r>0)の等比数列である.

(1) θrとの関係式を求めよ.

(2) απ4<α<πを満たす定数とする.
おうぎ形Pn1OPnの面積をSnとするとき,α=S1+S5+S9++S4n3+を満たすrはただ1つ存在することを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安16

数列三角関数積分 和の計算、範囲評価、一意性証明

方針

隣り合う点を結ぶ中心角 Pn1OPn が等比数列なので、その総和が極限角 2π になる条件を使う。単調に増大し極限が有限であるため、公比は 0<r<1 でなければならない。扇形面積は半径1なので中心角の半分であり、S1,S5,S9, は公比 r4 の等比数列になる。最後は π/((1+r)(1+r2)) の連続性と単調減少を確認して、存在と一意性を示す。

解答

(1)
条件(ii)より、中心角の増分は θ,θr,θr2, である。θ>0r>0 であり、P0OPn はこれらの和である。

条件(i)より P0OPn は単調に増大し、しかも極限が 2π で有限である。したがって等比級数が収束しなければならないので 0<r<1 である。また、全体の和が 2π だから θ+θr+θr2+=θ1r=2π である。よって θ=2π(1r)(0<r<1) が求める関係式である。

(2)
半径1の扇形の面積は中心角の半分であるから Sn=12θrn1 である。したがってS1+S5+S9+=θ2(1+r4+r8+)=θ2(1r4).(1)の θ=2π(1r) を代入すると θ2(1r4)=π(1r)1r4=π(1+r)(1+r2) である。

そこで H(r)=π(1+r)(1+r2)(0<r<1) とおく。分母 (1+r)(1+r2)0<r<1 で連続かつ単調増加であるから、H(r) は連続かつ単調減少である。また limr0+H(r)=π,limr1H(r)=π4 である。

したがって π4<α<π を満たす任意の α に対して、H(r)=α を満たす r0<r<1 に少なくとも1つ存在する。さらに H(r) は単調減少なので、そのような r は高々1つである。よって条件を満たす r はただ1つ存在する。

別解

解法2:単調な3次多項式の値域へ帰着する

方針

扇形面積の和を整理した後、分数関数をそのまま微分せず、方程式を (1+r)(1+r2)=π/α と変形する。左辺は 1+r+r2+r3 という単調な多項式で、0<r<1 では値が1から4まで重複なく動く。一方、π/4<α<π は右辺が1と4の間にあることと同値なので、連続性と単調性から存在と一意性を得る。

解答

(1)
n 区間の中心角は θrn1 である。これらは正で、総和が有限の 2π だから 0<r<1 である。さらにn=1θrn1=θ1r=2πよりθ=2π(1r),0<r<1.(2)
半径1の扇形の面積は中心角の半分なのでSn=θ2rn1.したがってS1+S5+S9+=θ2(1+r4+r8+)=θ2(1r4)=π(1+r)(1+r2).よって求める r(1+r)(1+r2)=παを満たす。ϕ(r)=1+r+r2+r3とおく。0<r<1ϕ(r)=1+2r+3r2>0だから、ϕ は連続かつ狭義単調増加である。またlimr0+ϕ(r)=1,limr1ϕ(r)=4.一方、π/4<α<π より1<πα<4.したがって中間値の定理により条件を満たす r0<r<1 に存在し、狭義単調増加性によりその r はただ1つである。

総評

難度6、計算量4、目安時間16分。中心角の増分が正の等比数列で、累積角が有限値 2π に近づくことから、最初に 0<r<1 を確定する。扇形面積では添字が4ずつ増えるため公比は r4 であり、ここを r としない。存在だけでなく一意性まで求められるので、連続性と狭義単調性を別々に書く。分数関数の減少と、多項式 1+r+r2+r3 の増加で相互検算した。

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出典: 北海道大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。