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北海道大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

Pが曲線y=ex+ex2の上を運動している.
その速さはつねに毎秒1であり,速度ベクトルのx成分はつねに正である.
ただし,eは自然対数の底である.

(1)Pが点(0,1)を通過してからt秒後の点Px座標をtで表せ.

(2)Pにおけるこの曲線の接線とx軸との交点をQとする.
Pが点(0,1)を通過してから2秒後の点Qの速さを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安30

微分積分指数・対数 置換接線・法線、計算整理

方針

速さが常に1で x 成分が正なので、時刻は曲線の弧の長さと一致する。まず ds/dx を計算すると (ex+ex)/2 になり、t=(exex)/2 が得られる。これを解いて xt で表す。(2)では経過時間を t とし、接線の傾きが (exex)/2=t、点 Py 座標が t2+1 であることを使う。Q の座標を t の関数として表し、微分して t=2 を代入する。

解答

(1)
曲線を y=ex+ex2 とおく。このとき dydx=exex2 である。したがってdsdx=1+(dydx)2=1+(exex2)2=e2x+2+e2x4=ex+ex2.速さは毎秒1で、速度ベクトルの x 成分は正なので、点 0,1 を通過してから t 秒後にはt=0xeu+eu2du=exex2である。 X=ex とおくと t=XX12 であり、X22tX1=0 を得る。X>0 なので X=t+t2+1 である。したがって求める x 座標は x=log(t+t2+1) である。

(2)
経過時間を t として考える。(1)より exex2=t であり、これは点 P における接線の傾きでもある。また(ex+ex2)2(exex2)2=1より、点 Py 座標は y=ex+ex2=t2+1 である。

P=(x,y) における接線は Yy=t(Xx) である。x 軸との交点 Q では Y=0 なので、その X 座標を XQ とすると XQ=xyt である。したがって XQ(t)=log(t+t2+1)t2+1t である。 Qx 軸上を動くので、その速さは XQ(t) である。まず ddtlog(t+t2+1)=1t2+1 である。またddt(t2+1t)=tt/t2+1t2+1t2=1t2t2+1.したがってXQ(t)=1t2+1+1t2t2+1=t2+1t2である。2秒後、すなわち t=2 のとき、Q の速さは 54 である。

曲線上の点 P と、その接線の x 軸との交点 Q

別解

解法2

方針

(1) 弧長を先に積分せず、速さ1の単位接ベクトルから速度成分を求める。曲線の傾きを v=(exex)/2、高さを y=(ex+ex)/2 とすると dv/dt=1 が得られ、v=t となる。(2) 接線の切片を q=xy/v と表し、時刻 t で微分する。

解答

経過時間を t、点 P の座標を (x,y) とする。またv=dydx=exex2とおく。この曲線ではy2v2=1,dvdx=yが成り立つ。

(1) 速度の x 成分は正で、速さは1だから、単位接ベクトルよりdxdt=11+v2=1y.したがってdvdt=dvdxdxdt=y1y=1.(0,1) では v=0 だから v=t である。よってexex2=t.ex>0 に注意して解くとex=t+t2+1,したがってx=log(t+t2+1)である。

(2) 接線の傾きは v=t、また y2v2=1 よりy=t2+1.接線と x 軸との交点 Qx 座標を q とするとq=xyv=xt2+1t.ここでdxdt=1y=1t2+1だからdqdt=1t2+1ddt(t2+1t)=1t2+1+1t2t2+1=t2+1t2.t=2 では正なので、そのまま速さを表す。よって求める速さは54である。

総評

難易度は6、計算量は5程度である。想定時間は25分から35分程度。(1)は弧長の計算で、ds/dx=(ex+ex)/2 ときれいに戻ることを見抜きたい。速度の x 成分が正なので、時刻と x は一対一に対応する。(2)では経過時間 t と接線の傾きが同じ値になるため、点 P の座標を t で表すと計算が軽い。点 Q の速さを点 P の速さ1と混同しないこと、Qx 軸上を動くため XQ(t) を見ることが重要である。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・定義域・必要十分性・符号も確認した。

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出典: 北海道大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。