方針
f(x) を1次式 ax+b とおく。条件 F(1)=2 はそのまま定積分を計算して1本目の一次方程式にする。条件 F′(0)=−10 は積の微分と上端が 2x+3 であることに注意し、x=0 では上端微分から来る項が消えることを確認して2本目の一次方程式にする。
解答
f(x) は1次式なので f(x)=ax+b とおく。
まずF(1)=∫15(at+b)dtである。したがってF(1)=[2at2+bt]15=2a(25−1)+b(5−1)=12a+4bである。F(1)=2 より 12a+4b=2 すなわち 3a+b=21 を得る。
次にI(x)=∫12x+3f(t)dtとおくと F(x)=xI(x) である。よって F′(x)=I(x)+xI′(x) である。ここで I′(x)=2f(2x+3) だが、x=0 を代入すると第2項 xI′(x) は消える。したがってF′(0)=I(0)=∫13(at+b)dtである。これを計算するとF′(0)=[2at2+bt]13=2a(9−1)+b(3−1)=4a+2bである。F′(0)=−10 より 4a+2b=−10 すなわち 2a+b=−5 である。
連立方程式⎩⎨⎧3a+b=21,2a+b=−5を解く。上の式から下の式を引くと a=211 であり、これを 2a+b=−5 に代入して b=−16 を得る。したがって f(x)=211x−16 である。
別解
解法2(先に F(x) を多項式へ展開する)
方針
f(x)=ax+bを定積分してからF(x)全体を3次式として展開する。するとF(1)とF′(0)は係数を読むだけになり、2本の一次方程式が得られる。
解答
f(x)=ax+bとおく。まず∫12x+3(at+b)dt=[2at2+bt]12x+3=2ax2+(6a+2b)x+4a+2b.したがってF(x)=x∫12x+3f(t)dt=2ax3+(6a+2b)x2+(4a+2b)x.条件F(1)=2から12a+4b=2,すなわち3a+b=21.またF′(x)=6ax2+2(6a+2b)x+4a+2bなので、F′(0)=−10から4a+2b=−10,すなわち2a+b=−5.2式の差を取るとa=211,さらに2a+b=−5へ代入してb=−16を得る。よってf(x)=211x−16である。
総評
積分上端を含む関数を微分する小問である。目安時間は13分。F′(0) では F(x)=xI(x) の積の微分を使い、x=0 で xI′(x) が消える点を明示するのが重要である。計算自体は一次方程式2本に帰着するので、定積分の区間 1 から 5、1 から 3 を取り違えないよう整理して書く。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。
冊子PDFで見る北大の積分の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1991年度 前期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。