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北海道大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

a>0に対して,F(x)=0xdtt2+aとし,
I(x)=F(3x)F(x)とおく.

(1) {}I(a3)を計算せよ.

(2) {}I(x)x=2で最大値をとるようにaの値を定めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

積分三角関数微分 置換積分、微分による最大最小、計算整理

方針

I(x)=F(3x)F(x) をまず x から 3x までの積分として書き直す。(1)は t=atanu の置換で端点が π/6π/3 になることを利用する。(2)は微分して符号を調べ、正の x における最大点が x=a/3 であることを確認し、その点が2になるように a を決める。負の側では積分値が正の最大に届かないことも添える。

解答

(1)

定義よりI(x)=F(3x)F(x)=x3xdtt2+aである。ここで x=a3 とする。置換 t=atanu を用いると dt=asec2udu,t2+a=a(tan2u+1)=asec2u であるから dtt2+a=1adu となる。

端点は xa=13,3xa=3 より u=π6,u=π3 である。したがってI(a3)=1aπ/6π/3du=1a(π3π6)=π6aである。

(2) I(x)=F(3x)F(x) を微分すると I(x)=3F(3x)F(x) である。F(x)=1x2+a だからI(x)=39x2+a1x2+a=3(x2+a)(9x2+a)(9x2+a)(x2+a)=2a6x2(9x2+a)(x2+a)である。分母は常に正なので、符号は 2a6x2=2(a3x2) で決まる。

したがって x>0 では 0<x<a3I(x)>0x>a3I(x)<0 である。よって正の x における最大点は x=a3 である。

なお x<0 のときは、区間 [3x,x] が負の側にありI(x)=x3xdtt2+a<0となる。正の側では I(x)>0 なので、全体の最大値は上の正の点で生じる。

問題では x=2 で最大値をとるようにしたいから a3=2 である。よって a=12 である。

別解

解法2

方針

t=atanu により積分を角度差に直す。(2)では tan(ψϕ)=2ax/(a+3x2) を作り、相加相乗平均で角度差が最大となる x を微分なしで求める。

解答

(1) I(x)=x3xdtt2+a.x=a/3 とし、t=atanu とおく。端点はu=π6,u=π3に移り、I(a3)=1aπ/6π/3du=π6a.(2)

x>0 とし、tanϕ=xa,tanψ=3xa,0<ϕ<ψ<π2とおく。同じ置換によりI(x)=ψϕa.差の公式からtan(ψϕ)=2axa+3x2.0<ψϕ<π/2 なので、I(x) の最大化は右辺の最大化と同じである。
相加相乗平均よりa+3x223ax,等号は a=3x2 のときに成り立つ。したがって正の側での最大点はx=a3.x<0 では I(x)<0 だから、これは全実数上の最大点である。最大点を x=2 にする条件はa3=2,よってa=12.

総評

積分関数の差を可変区間積分として扱う標準問題。(1)は t=atanu によって端点が π/6,π/3 になることが中心で、置換後の係数 1/a を落としやすい。(2)は合成関数の微分で 3F(3x) となる点に注意する。最大点の議論では、分母が正であること、x<0 では積分の向きにより値が負になることまで書くと、x=2 を全体の最大点として扱う根拠が明確になる。 導関数の符号による方法と、角度差の正接を相加相乗平均で最大化する方法を示した。負の x では積分の向きにより I(x)<0 となるため、正の臨界点が全体最大である。

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出典: 北海道大学 1993年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。