方針
求めたい量を最初から t=tanθ と置く.範囲条件から cosθ>0 なので,tanθ への置換で解を失わないことを確認し,2倍角の式を代入して2次方程式に帰着する.最後に,得られた実数解がすべて条件範囲の θ に対応することまで見る.
解答
t=tanθ とおく.−2π<θ<2π では cosθ>0 であり,t は任意の実数をとりうる.2倍角の公式より cos2θ=1+t21−t2,sin2θ=1+t22t であるから,条件式に代入して 21+t21−t2+a1+t22t=1 を得る.ここで 1+t2>0 なので両辺に 1+t2 を掛けてよい.整理すると 2(1−t2)+2at=1+t2,3t2−2at−1=0 である.判別式は (−2a)2−4⋅3⋅(−1)=4(a2+3)>0 なので,2つの実数解は t=62a±4a2+12=3a±a2+3 となる.したがってtanθ=3a+a2+3,3a−a2+3である.どちらの値も実数であり,−2π,2π には任意の実数を tanθ とする θ がただ1つ存在するので,この2つはいずれも条件を満たす.
別解
解法2
方針
条件式を sinθ,cosθ の2次同次式へ直し,cosθ>0 を確認してから一次式の積へ因数分解する.各因子を cosθ で割れば,tanθ の2つの値を直接読める.
解答
条件式を2倍角の公式で書き直すと2(cos2θ−sin2θ)+2asinθcosθ=cos2θ+sin2θである.したがってcos2θ+2asinθcosθ−3sin2θ=0.ここでλ±=a±a2+3とおくと,λ++λ−=2a,λ+λ−=−3 なので(cosθ+λ+sinθ)(cosθ+λ−sinθ)=0と因数分解できる.
範囲条件より cosθ>0 であるから,各因子を cosθ で割ってよい.よって1+λ+tanθ=0または1+λ−tanθ=0.ここで−λ+1=3a−a2+3,−λ−1=3a+a2+3である.したがってtanθ=3a+a2+3,3a−a2+3である.
総評
難度は10段階中3,計算量は10段階中3.2倍角の公式を使うだけなら短いが,範囲条件から cosθ>0 を確認し,分母 1+tan2θ が0でないこと,さらに得られた2つの実数解が実際に θ の範囲内で実現することまで述べると答案が締まる.計算自体は軽いので,解を1つに落とさないことと,a が任意の実数でも判別式が正であることの確認が得点上の要点である.
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出典: 北海道大学 1995年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。