方針
交点 −1,−k,k で囲まれる2つの部分に分け,どちらの曲線が上にあるかを符号で確認して面積 S(k) を作る.微分して臨界点と端点を比較し,0≦k≦1 の中で最小を与える k を決める.
解答
2曲線の差を D(x)=x2(x+1)−k2(x+1)=(x+1)(x−k)(x+k) とおく.0≦k≦1 なので交点の x 座標は −1,−k,k の順に並ぶ.区間 (−1,−k) では D(x)>0,区間 (−k,k) では D(x)<0 である.したがって囲まれる部分の面積を S(k) とするとS(k)=∫−1−kD(x)dx−∫−kkD(x)dxである. D(x)=x3+x2−k2x−k2 と展開して積分すると S(k)=12−3k4+24k3−6k2+1 となる.よって S′(k)=12−12k3+72k2−12k=−k(k2−6k+1) である.0≦k≦1 にある臨界点は k=0,k=3−22 である.導関数の符号は,0<k<3−22 で負,3−22<k<1 で正となるので,S(k) は k=3−22 で最小となる.したがって k=3−22 である.
3交点と2つの面積区間
別解
解法2
方針
面積そのものを展開せず,交点では2曲線の差が0になることを使って,積分区間が動く面積を直接微分する.導関数の符号だけで最小点を決める.
解答
2曲線の差をD(x,k)=(x+1)(x2−k2)とおく.0≦k≦1 では交点は −1,−k,k の順であり,S(k)=∫−1−kD(x,k)dx−∫−kkD(x,k)dx.各積分端では D=0 なので,端点の移動から生じる項は消える.また∂k∂D=−2k(x+1)である.したがってS′(k)=∫−1−k−2k(x+1)dx−∫−kk−2k(x+1)dx=−k(1−k)2+4k2=−k(k2−6k+1).k2−6k+1=0 の解は 3±22 であり,区間 [0,1] にあるのはk0=3−22だけである.
0<k<k0 では S′(k)<0,k0<k≦1 では S′(k)>0 だから,
S は k0 まで減少し,その後増加する.よって面積を最小にする値はk=3−22である.
総評
難度は10段階中5,計算量は10段階中5.交点が3つあるため,面積を1本の積分で済ませないことが大切である.特に (−1,−k) と (−k,k) で上下関係が入れ替わるので,符号を確認してから絶対値を外す必要がある.最小化では端点 k=0,1 と内部の臨界点を区別し,導関数の符号変化まで示すと答案として安定する.別解のように端点で差が0になる性質を使えば,面積の多項式を全部展開する負担を少し減らせる.
冊子PDFで見る北大の積分の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1995年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。