Evolton

北海道大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

曲線y=x2(x+1)と直線y=k2(x+1)とで囲まれる部分の面積が最小になるように,
定数kの値を定めよ.
ただし0k1とする.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

積分微分関数 面積計算、絶対値の処理、微分による最大最小

方針

交点 1,k,k で囲まれる2つの部分に分け,どちらの曲線が上にあるかを符号で確認して面積 S(k) を作る.微分して臨界点と端点を比較し,0k1 の中で最小を与える k を決める.

解答

2曲線の差を D(x)=x2(x+1)k2(x+1)=(x+1)(xk)(x+k) とおく.0k1 なので交点の x 座標は 1,k,k の順に並ぶ.区間 (1,k) では D(x)>0,区間 (k,k) では D(x)<0 である.したがって囲まれる部分の面積を S(k) とするとS(k)=1kD(x)dxkkD(x)dxである. D(x)=x3+x2k2xk2 と展開して積分すると S(k)=3k4+24k36k2+112 となる.よって S(k)=12k3+72k212k12=k(k26k+1) である.0k1 にある臨界点は k=0,k=322 である.導関数の符号は,0<k<322 で負,322<k<1 で正となるので,S(k)k=322 で最小となる.したがって k=322 である.

3交点と2つの面積区間

別解

解法2

方針

面積そのものを展開せず,交点では2曲線の差が0になることを使って,積分区間が動く面積を直接微分する.導関数の符号だけで最小点を決める.

解答

2曲線の差をD(x,k)=(x+1)(x2k2)とおく.0k1 では交点は 1,k,k の順であり,S(k)=1kD(x,k)dxkkD(x,k)dx.各積分端では D=0 なので,端点の移動から生じる項は消える.またDk=2k(x+1)である.したがってS(k)=1k2k(x+1)dxkk2k(x+1)dx=k(1k)2+4k2=k(k26k+1).k26k+1=0 の解は 3±22 であり,区間 [0,1] にあるのはk0=322だけである.

0<k<k0 では S(k)<0k0<k1 では S(k)>0 だから,
Sk0 まで減少し,その後増加する.よって面積を最小にする値はk=322である.

総評

難度は10段階中5,計算量は10段階中5.交点が3つあるため,面積を1本の積分で済ませないことが大切である.特に (1,k)(k,k) で上下関係が入れ替わるので,符号を確認してから絶対値を外す必要がある.最小化では端点 k=0,1 と内部の臨界点を区別し,導関数の符号変化まで示すと答案として安定する.別解のように端点で差が0になる性質を使えば,面積の多項式を全部展開する負担を少し減らせる.

冊子PDFで見る北大の積分の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 1995年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。