方針
交点では2本の直線の y 座標が等しいので,まず y(θ) を傾き T=tan(θ+4π) で表す.極限は θ→2π で 1+T→0 となるため,設問(2)の極限をそのまま分母の一次近似として使う.
解答
(1) T=tan(θ+4π),c=2(1−π2θ)とおく.2直線の交点では Tx=−x+c であるから x=T+1c となる.したがって y(θ)=Tx=T+1Tc であり,もとの文字に戻すとy(θ)=2(1−π2θ)1+tan(θ+4π)tan(θ+4π)である.
(2) u=2πt とおくと,t→0 のとき u→0 である.加法定理より tan(43π−u)=1−tanu−1−tanu なので1+tan(43π−u)=1+1−tanu−1−tanu=1−tanu−2tanuである.したがってt1+tan(43π−2πt)=−t(1−tanu)2tanu=−t2u⋅utanu⋅1−tanu1となる.u/t=2π,utanu→1,1−tanu→1 より −π である.
(3) s=1−π2θ とおくと,θ→2π−0 のとき s→+0 であり,θ+4π=43π−2πs である.(2) より s1+tan(θ+4π)→−π であり,また tan(θ+4π)→−1 である.したがって (1) の式からy(θ)=2⋅s1+tan(θ+4π)tan(θ+4π)→2⋅−π−1となる.よってθ→2πlimy(θ)=π2である.
θ→π/2 における交点
別解
解法2
方針
加法定理で tan(θ+π/4) を tanθ に直すと,交点の y 座標が積の形へ簡約される.最後は u=π/2−θ とおき,基本極限 ucotu→1 を使う.
解答
(1) T=tan(θ+4π),c=2(1−π2θ)とおく.交点では Tx=−x+c なのでy=Tx=1+TTc.加法定理よりT=1−tanθtanθ+1,1+TT=21+tanθ.よってy(θ)=21(1−π2θ)(1+tanθ).(2)
u=πt/2 とおく.加法定理から1+tan(43π−u)=−1−tanu2tanu.したがってt1+tan(43π−2πt)=−t2uutanu1−tanu1⟶−π.(3)
u=π/2−θ とおくと u→+0 であり,1−π2θ=π2u,tanθ=cotu.したがってy(θ)=π2u(1+cotu)=π2(u+sinuucosu)⟶π2.
総評
難度は10段階中5,計算量は10段階中4.交点の式自体は一次方程式だが,θ→2π で分子と分母が同時に0に近づくため,設問(2)を橋渡しとして使う構成が重要である.加法定理で 1+tan(43π−u) を明示的に変形しておくと,符号を誤りにくい.最後は s=1−π2θ と置いて,設問(2)の t と同じ形にそろえるのが最短である.
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出典: 北海道大学 1995年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。