方針
重解は導関数の零点で起こるので、まず候補を x=±p に絞る。α が小さい方の重解であることから符号を決め、因数分解で残りの解 β と q を確定する。面積は区間 [−p,2p] での符号を確認してから、−f(x) を積分して 2p と等置する。
解答
(1)
重複解は f(x)=0 と f′(x)=0 を同時に満たす。ここで f′(x)=3x2−3p2=3(x−p)(x+p) であるから、重解の候補は x=p または x=−p である。p>0 で、しかも α<β かつ α が重複解であるから、小さい方の重解は α=−p でなければならない。
したがって f(−p)=0 より (−p)3−3p2(−p)+q=2p3+q=0 となるので、q=−2p3 である。このとき f(x)=x3−3p2x−2p3=(x+p)2(x−2p) と因数分解できるから、もう一つの実数解は β=2p である。
(2) −p≦x≦2p では (x+p)2≧0 かつ x−2p≦0 であるから、f(x)≦0 である。したがって求める面積 S はS=−∫−p2p(x+p)2(x−2p)dxである。u=x+p とおくと、x−2p=u−3p、積分範囲は 0≦u≦3p となるので、S=−∫03pu2(u−3p)du=∫03p(3pu2−u3)du=[pu3−4u4]03p=27p4−481p4=427p4.これが 2p に等しいから、p>0 より 427p4=2p,p3=278. よって p=32 である。
重解をもつ3次関数と面積
別解
解法2
方針
重解と単解を最初から因数分解の形に置き、係数比較だけで3つの未知量を決める。面積は u=x+p と平行移動して、区間と符号が一目で分かる形に直す。
解答
(1)
f(x) は最高次係数が 1 で、α を重解、β を単解にもつからf(x)=(x−α)2(x−β)と書ける。展開して x2 の係数を比較すると2α+β=0.また x の係数からα2+2αβ=−3p2.β=−2α を代入すると −3α2=−3p2 だから
α=±p である。条件 α<β=−2α より
α<0 なのでα=−p,β=2p.定数項を比較すればq=−α2β=−2p3.(2)
以上からf(x)=(x+p)2(x−2p).−p≦x≦2p では f(x)≦0 である。u=x+p とおけばS=−∫−p2pf(x)dx=∫03pu2(3p−u)du=[pu3−4u4]03p=427p4.S=2p かつ p>0 より427p4=2p⟺p3=278.したがってp=32.
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中5。重解を見た瞬間に f′=0 と結びつけられるかが最初の得点差になる。面積では f(x) の符号を確認せずにそのまま積分すると符号を誤りやすいので、(x+p)2(x−2p)≦0 を明記してから −f(x) を積分するのが安全である。想定時間は8分前後で、因数分解、積分範囲、p>0 による割り算の3点を答案上に残せば満点に近い。
冊子PDFで見る北大の微分の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1996年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。