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北海道大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

f(x)=2ex+exsinxとする.
f(x)=0となるx0xπの範囲にはちょうど2個存在し,
1個は区間[0,π2]に,
1個は区間[π2,π]にあることを示せ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

微分指数・対数三角関数 増減表、存在証明、一意性証明

方針

h(x)=2ex+ex とおき,前半区間では h(x) が減少,sinx が増加することから差が単調に減ることを使う.後半区間では x=π2+u と置き,hcosu の比の増減を調べて,交点が1つだけであることを示す.

解答

h(x)=2ex+ex とおく.x0 では ex+ex は増加するので,h(x) は正で単調に減少する.

まず 0xπ2 を考える.この区間で h(x) は減少し,sinx は増加するから f(x)=h(x)sinx は単調に減少する.またf(0)=1>0,f(π2)=2eπ/2+eπ/21<0である.よって [0,π2] には解がただ1つ存在する.

次に π2xπ を考える. x=π2+u(0uπ2) とおくと,sinx=cosu である.方程式 f(x)=0h(π2+u)=cosu と同値である.そこでR(u)=h(π2+u)cosu(0u<π2)を考える.R(u)=1 となる u が,後半区間の解に対応する. X=π2+u と書くと,対数微分により R(u)R(u)=tanueXeXeX+eX である.右辺を Ψ(u) とおくと Ψ(u)=1cos2u4(eX+eX)2>0 である.実際,0u<π21cos2u1,一方 X>0 だから eX+eX>2 であり,4(eX+eX)2<1 である.したがって Ψ(u) は単調に増加する.

さらにΨ(0)=eπ/2eπ/2eπ/2+eπ/2<0,Ψ(u)+(uπ20)であるから,R(u) ははじめ減少し,ある点から増加に転じる.しかもR(0)=2eπ/2+eπ/2<1,R(u)+(uπ20)である.よって R(u)=10<u<π2 でただ1回だけ起こる.

以上より,f(x)=0 となる x0xπ にちょうど2個存在し,1個は [0,π2] に,もう1個は [π2,π] にある.

減少曲線と正弦曲線の2交点

別解

解法2

方針

方程式を (ex+ex)sinx/2=1 と書き換え,その左辺の増減を調べる.後半区間では導関数が0になる条件を2つの単調関数の交点に変え,極大点がただ1つであることを示す.

解答

方程式 f(x)=0G(x)=1,G(x)=ex+ex2sinxと同値である.

まず 0xπ/2 ではG(x)=exex2sinx+ex+ex2cosx>0である.またG(0)=0<1,G(π2)=eπ/2+eπ/22>1.よって前半区間には解がただ1つある.

次に π/2<x<π を考える.G(x)=0tanx=ex+exexexと同値である.左辺を L(x),右辺を M(x) とおくとL(x)=1cos2x1,M(x)=4(exex)2.xπ/2 では exex>2 なので 1<M(x)<0.したがって(LM)<0であり,LM は狭義単調減少する.さらにL(x)+(xπ/2+0),L(x)0(xπ0),一方 M(x)>1 だから,G(x)=0 となる点は後半区間にただ1つある.

よって G は後半区間では初め増加し,その後は狭義単調に減少する.G(π2)>1,G(π)=0<1であるから,増加部分では G=1 にならず,減少部分でちょうど1回だけ G=1 となる.
以上より,指定された各半区間に1個ずつ,全体でちょうど2個の解が存在する.

総評

難度は10段階中7,計算量は10段階中5.前半区間は「減少する関数」と「増加する関数」の比較だけで一意性まで出せる.一方,後半区間では両方とも減少するため,単純な単調性では足りない.そこで h(π2+u)/cosu の比を見て,その増減が一度だけ切り替わることを示すのが核心である.存在だけでなく「ただ1つ」を示すには,端点の符号確認と増減の論証を両方そろえる必要がある.

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出典: 北海道大学 1995年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。