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北海道大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

次の問いに答えよ.

(1) 数学的帰納法により次の不等式を証明せよ.
ただし,n=1,2,3,とする.k=12n1kn2+1(2) 次の命題は真か偽か.
真ならば証明し,偽ならばその例をあげ理由を説明せよ.limn(an+1an)=0ならば数列{an}は収束する.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安7

数列論証・証明 数学的帰納法、反例構成、不等式評価

方針

(1) は指定通り数学的帰納法で示す。2n から 2n+1 まで増える部分にある 2n 個の項を、すべて 1/2n+1 以上と下から評価するのが決め手である。(2)は命題が偽であることを示すため、差が 0 に近づくが発散する数列を作り、(1)でその発散を保証する。

解答

(1) n=1 のときk=121k=1+12=32であり、右辺も 12+1=32 であるから成り立つ。

次に、ある n1k=12n1kn2+1が成り立つと仮定する。このときk=12n+11k=k=12n1k+k=2n+12n+11kである。後半の和には 2n 個の項があり、各項は 1k12n+1 を満たす。したがってk=2n+12n+11k2n12n+1=12.よって帰納法の仮定からk=12n+11k(n2+1)+12=n+12+1となる。以上より、数学的帰納法によってk=12n1kn2+1がすべての正の整数 n で成り立つ。

(2)
命題は偽である。反例として an=1+12++1n をとる。このとき an+1an=1n+1 であるから、limn(an+1an)=0を満たす。

しかし (1) よりa2n=k=12n1kn2+1である。右辺は n で限りなく大きくなるので、部分列 a2n は有界でない。したがって数列 {an} は収束しない。よって与えられた命題は偽である。

別解

解法2

方針

(1) は調和和を2進区間ごとのブロックに分け、各ブロックが少なくとも 1/2 を加えることを帰納法の形にする。(2)は調和数列とは別に an=n を反例として使う。

解答

(1) Hn=k=12n1kとおく。n=1 では H1=3/2 で、主張は成り立つ。
ある n1Hnn/2+1 と仮定する。2n+1k2n+1 では 1/k1/2n+1 であり、
この範囲には 2n 個の整数がある。よってHn+1Hn=k=2n+12n+11k2n12n+1=12.したがってHn+1n2+1+12=n+12+1.数学的帰納法により主張が示された。

(2)

命題は偽である。反例としてan=nをとる。このときan+1an=n+1n=1n+1+n0.しかし an=n であり、数列は収束しない。
よって差が 0 に収束することは、元の数列の収束を保証しない。

総評

難度は10段階中4、計算量は10段階中3。(1)の帰納法は、増えた部分を丸ごと 1/2 以上と見るだけなので計算は軽い。(2)では「差が 0 に近づく」と「数列そのものが収束する」は別問題であることを、調和数列で示すのが自然である。想定時間は7分程度。反例は差の極限だけでなく、収束しない理由まで書いて初めて完成する。

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出典: 北海道大学 1996年度 前期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。