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北海道大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

次の連立不等式の表す領域が三角形の内部になるような定数aの値の範囲を求めよ.xy<0,x+y<2,ax+(2a+3)y<1

難易度5/ 10計算量3/ 10目安10

方程式・不等式図形と方程式 座標設定必要十分条件、範囲評価

方針

はじめの二つの不等式 xy<0x+y<2 は,二本の直線に挟まれた開いた角を表す。この角を第一象限に移すため,u=yxv=2xy と置く。すると条件は u>0,v>0 になり,三つ目の不等式は u,v の一次不等式になる。第一象限を一本の直線で有界な三角形に切り取るには,原点側を含み,かつ両軸と正の位置で交わることが必要十分である。

解答

u=yx,v=2xy とおく。はじめの二つの不等式は u>0,v>0 となる。また,この変換を解くと x=2uv2,y=2+uv2 である。

三つ目の不等式に代入すると ax+(2a+3)y<1a2uv2+(2a+3)2+uv2<1 である。左辺を整理すると 3(a+1)+a+32u3(a+1)2v<1 となるので,a+32u3(a+1)2v+3a+2<0 である。

いま u>0,v>0 は第一象限を表す。この第一象限を直線 a+32u3(a+1)2v+3a+2=0 で切って三角形の内部にするためには,直線が二つの正の軸上で交わり,かつ原点付近が不等式を満たす必要がある。つまり a+32>0,3(a+1)2>0,3a+2<0 が必要十分である。

これらはそれぞれ a>3,a<1,a<23 である。はじめの二つを同時に満たせば三つ目も自動的に満たされるので,求める範囲は 3<a<1 である。

別解

解法2

方針

最初の2直線の交点から伸びる二つの境界半直線上で、第三の直線との交点を直接調べる。両方の交点が境界半直線の正しい側にあり、頂点も第三不等式を満たすことを必要十分条件として整理する。

解答

最初の二つの境界直線y=x,y=2xV=(1,1) で交わり、領域は V から左上へ伸びる二つの半直線の間である。

境界 y=x 上で x<1 とすると、第三の境界直線との交点はax+(2a+3)x=1,x=13(a+1).この交点が x<1 の側に有限に存在し、頂点 V と切り取られるための条件はa<1.実際、a<1 なら分母は負なので x<0<1 である。

次に y=2x 上で x<1 とすると、ax+(2a+3)(2x)=1よりx=4a+5a+3.この交点が x<1 の側に有限に存在する条件は4a+5a+3<13a+2a+3<0.すでに a<1 だから、これは a>3 と同値である。

さらに頂点 V=(1,1) では第三不等式の左辺が 3a+3 なので、3a+3<1.これは 3<a<1 のもとで自動的に成り立つ。以上の条件は逆に、第三の直線が二つの境界半直線をそれぞれ一度ずつ横切り、その三辺で有限な三角形を作ることも保証する。

したがって求める範囲は3<a<1である。

総評

領域を直接図示しても解けるが,u=yxv=2xy によって第一象限へ移すと条件が明確になる。所要時間は10分程度。重要なのは,一本の直線で第一象限を三角形に切る条件を「二つの係数が正,定数項が負」と読めること。3a+2<0 は最終的には冗長だが,原点側を含む確認として書いておくと必要十分性が伝わりやすい。

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出典: 北海道大学 1998年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。